１．脳梗塞の原因と前兆
脳の病気は、いずれも生命にかかわる危険があり、死に至ることがなくても、その後の生
活に大きな障害を引き起こすことになります。今回はそのような脳の病気のなかでもよく
知られている脳梗塞についてです。
脳梗塞とは、脳の血管が細くなったり、血液のかたまり（血栓）によって脳の血管が詰ま
ってしまって、血液の流れが止まることで発生する症状のことを言います。
脳に血液が届かなくなると、酸素や栄養が届かなくなりますので脳細胞は死んでしまいま
す。このような脳の血管異常によるさまざまな障害のことを脳卒中と言います。
脳卒中による障害のなかでも、血管が閉塞することで生じる障害を「脳梗塞」、血管が破
れることで出血して脳に血液が届かなくなる障害が「脳出血」や「くも膜下出血」です。
つまり、脳梗塞も脳卒中の１つということになります。
脳梗塞の危険因子としては、肥満・加齢・高血圧症・脂質異常症・糖尿病・喫煙・飲酒習
慣などが良く知られています。ざっくり言えば、血管の老化と生活習慣が主な原因という
ことになります。
脳梗塞は突然起こるというのが一般的なイメージだろうと思いますが、それでもまるで予
兆がないというものでもありません。脳に十分な血液が行き届かなくなることで、一過性
脳虚血発作の症状が現れます。ろれつが回らない、視野が半分欠ける、言葉が出てこない
（失語症）、急なめまいなどが脳梗塞の予兆として知られています。一過性脳虚血発作と
いう名前の通り一過性ですので、多くの場合はまもなく症状が治まります。
しかし、このときにはすでに脳の血管が詰まり、脳細胞に障害が発生しているということ
でもありますので、症状が治まったからと安心せず、このタイミングで早急に医師の診断
を受ける必要があります。
脳梗塞により脳の細胞が死ぬという意味は、その細胞にかかわる日常生活における行動が
できなくなるということですので、一過性脳虚血発作という脳梗塞の予兆に気付いたとき
は、全力で脳梗塞の回避に取り組むことが何よりも優先されるべきです。
２．脳梗塞の予防と対策
脳梗塞は、発症してしまうと命に危険があるだけではなく、助かってもその後の人生が寝
たきりであったり、介護を必要とする状態になることが非常に多いとされています。なの
で、できればそのようにならないように予防することです。
脳梗塞の予防には、まずは食生活の見直し、生活習慣の見直し、適度な運動などで、肥満
解消、生活習慣病の改善を目指すことですが、すでに一過性脳虚血発作を経験した場合は、
その後１カ月から１年以内にかなりの高確率で脳梗塞を発症しているというデータがあり
ますので、予防より先に病院で診察を受けることをおすすめします。
高齢や生活習慣病（脂質異常症）などで血流に問題があると心配な人には、ヘルスオイル
がおすすめです。また血栓を防ぐためには、季節に関係なく、こまめな水分補給も必要で
す。あらかじめ飲む時間を決めておくと、飲み忘れがなくて良いかも知れません。
また、脳梗塞のセルフチェックとしては、鏡をみてうまく笑顔が作れるか、腕を上げたま
まの状態をキープできるか、短い文をいつもと同じようにしゃべれるか、という動作で確
認してみましょう。そして、もし異変に気付いたら躊躇せず病院で診察を受けましょう。
脳梗塞は時間との闘いですので、早とちりでも、手遅れになるよりはずっと有益な行動に
なります。特に、６０歳以上で肥満・喫煙習慣があり、高血圧や脂質異常症、糖尿病など
の疾患がある人は、それだけでも脳梗塞の危険因子満載ですので、そこを自覚してしっか
り対策を考えた生活に切り替えましょう。
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