人の老化は血管から

人は生まれてからは、誰でも毎日おなじ時間を過ごしているのです
が、寿命にはかなりの差があります。この違いはどこから生まれて
くるのか気になりませんか？
 
医療機関に携わる皆さんの間では、「人は血管とともに老いる」と
いう的を得た表現があるのだそうですが、これは血管が老化すれば、
その人の健康状態や寿命まで左右してしまうということなのです。
 
つまり、血管年齢の若い人は、年齢以上に若く活動的で、血管年齢
が老化した人は、病気がちで寿命も短くなるという意味なのです。
 
このように人間の寿命にまで影響を与える血管の老化現象を医学的
に言えば「動脈硬化」ということになります。
 
　
 
加齢とともに血管が自然老化することは止められませんが、食生活
や生活環境等の問題で、必要以上に血管が硬くなったり、コレステ
ロールなどが溜まって血管内部が細くなったりして老化することが
動脈硬化で、これは私達の努力で進行を抑えることもできるのです。
 
具体的にはどのようになるのかと言えば、動脈硬化が進むことで、
血液循環が悪くなりますが、これを虚血と言って、必要なところに
必要な酸素や栄養素が不足する状態になることです。
 
心臓が虚血になれば、「狭心症」や「心筋梗塞」、脳が虚血になれ
ば、「脳梗塞」や「一過性脳虚血発作」、足が虚血になれば、「間
欠性跛行」や「壊疽」といった症状がでてきます。
 

　動脈硬化による病状

狭心症も心筋梗塞も、どちらも発作的に胸の痛みなどとして症状が
現れますが、狭心症は心筋梗塞より虚血の程度が軽く、運動などで
心臓がいつもより活動的になるような時に発症しますが、一時的な
もので、少し時間が経って落ち着いてくると発作もおさまります。
 
心筋梗塞は、虚血の程度が重症で、心臓の筋肉の一部が死んでしま
うものなので、発作の症状も強烈なだけでなく、生命の危険もあり
救急治療が必要になります。１分１秒を争う緊急事態なのです。
 
　　　　　　　　　　　　　　　
 
一過性脳虚血発作は、時間的には短時間で、めまいや目の前が暗く
なるといった立ちくらみのような症状ですが、頻繁に症状が出るよ
うなときは脳梗塞の前触れということも考えられますので、検査を
受けることも必要です。
 
脳梗塞は、心筋梗塞と同じく一刻を争う発作で、体の一部が麻痺し
たり、意識がなくなったりしますが、後遺症として麻痺が残ること
も少なくありません。
 
間欠性跛行というのは、狭心症と同じで、歩いて足の筋肉の酸素消
費量が増えた時に、血流不足により酸素が不足して太ももやふくら
はぎが痛くなるという症状が出ますが、少し休むと痛みもなくなる
という感じです。
 
ところが重度の虚血になると、細胞が死滅してしまい壊疽になり、
健康な足の部分を守るために、足を切断するということにもなって
しまいます。
 
　　　　　
 
このように、動脈硬化による病気は、生命にかかわったり、日常生
活に支障をきたすほどの重病に襲われるのですが、それが自覚症状
のない状態で進行し、ある日、突発的に発作が現れて、その発作が
そまま命取りになるという確率が非常に高いということが恐ろしい
と言われる理由なのです。
 
そしてまた、動脈硬化の改善を謳うサプリメントの類は多く売られ
ていますが、やはり天然の食品で予防するのが最も効果的で、日本
の伝統食納豆などがそれにあたります。ただ納豆は好き嫌いもある
ので、そのような場合は納豆キナーゼだけをサプリメントにしたも
のも出ています。