１．円形脱毛症の原因とは
円形脱毛症というと、すぐに思いつくのがストレスではないでしょうか。実際、長期間に
わたって、円形脱毛症の原因はストレスとされてきました。しかし、最近の研究では、ス
トレスは円形脱毛症が発症するきっかけに過ぎないと考えられるようになっています。
では、何が原因なのかということになりますが、頭髪に自己免疫反応が起きていることに
よると言われています。体内にウイルスや細菌が入ってきた際に、リンパ球（Ｔ細胞）が
それを攻撃するというのが通常の免疫反応です。ところが、何らかの理由でこのリンパ球
に異常を起こることで、正常な細胞を攻撃してしまうことがあり、このような状態を自己
免疫反応と呼んでいます。
頭皮において、自己免疫反応が起こり、Ｔ細胞（リンパ球）が毛根を攻撃することで髪の
毛が抜ける症状が円形脱毛症ということになります。そして、そのような現象が起きるき
っかけになっているのがストレスということなのです。それ以外にも、睡眠不足、風邪、
過労、胃腸炎、出産など、さまざまな要因があると考えられています。
一般的には、円形脱毛症は１カ所に円形の脱毛（単発型）をイメージすると思いますが、
大きさに関係なく、２カ所以上ある場合を多発型と言い、脱毛範囲が小さい場合を軽症と
みなします。そして、脱毛範囲が頭皮の２５％以上に及ぶ場合を重症と判断します。
円形脱毛症と言っても、重症になると、複数個できる多発型にとどまらず、髪の毛の生え
際に沿って帯状に脱毛する蛇行型、頭髪のすべてが抜けてしまう全頭型、眉毛やまつ毛・
腋毛などの体毛まで抜けてしまう汎発型といったものもあります。
２．円形脱毛症の対処方法
脱毛はあっというまに進んでしまいますが、回復するにはかなりの期間を要します。治療
方法も年齢・症状によりさまざまですが、一般的には、初期の頃はぬり薬や飲み薬を使う
ことが多く、場合によっては光線治療を行います。その後の経過を見ながら次の段階での
治療法が選択されますが、保険対象外の治療があったり、どこの病院でも受けられるとい
うものでなかったりする種類のものになりますので注意が必要です。
このことからも、円形脱毛症も早期発見、早期対策が必要で、異変に気付いたら、まずは
皮膚科を受診してみましょう。
円形脱毛症の症状の現れ方はさまざまですが、一般的には、頭髪の一部に円形の脱毛部分
が現れます。軽症の場合は約８０％は一年以内に自然に治るとされていますが、重症の場
合は積極的に専門治療を受ける心構えが必要です。
円形脱毛症は、軽症であっても、回復に要する期間が長く、辛い思いをすることになりま
すので、一時的なものと割り切ってパウダースプレーを利用するのも１つの方法です。
他にも、飲む発毛促進剤といったものもありますので、ただ待つだけより、意欲的に回復
を期待する人にはおすすめです。同時にストレスや疲労の解消に努め、十分な睡眠・休息
を中心に規則正しい生活を心がけるようにすることが大切です。
円形脱毛症は、重症化してしまうと、１００％有効で副作用のない治療法は現時点ではあ
りません。なので、例え軽症であっても、しっかり回復までの症状を見極めながら過ごす
必要があります。
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