１．紫外線による色素沈着とは
色素沈着とは、皮膚の一部が茶色っぽくなることを言います。色の濃さは黒っぽいものか
ら青みがかったものまでさまざまですが、肌が何らかの刺激を受けることで、表皮にある
メラノサイト（色素細胞）からメラニン色素が過剰に分泌され、表皮や真皮に沈着（残っ
た）した状態です。ただし、色素沈着により皮膚の色は変化しますが、痛みやかゆみを伴
うようなことはほとんどありません。
肌が受ける刺激の主なものは、虫刺されや傷痕・過剰な摩擦・不規則な生活やストレス・
紫外線などがありますが、一般的にもっとも多い色素沈着の原因である紫外線による場合
のセルフケアについてです。
メラニン色素は、皮膚を紫外線から守る働きをする役目がありますので、紫外線による刺
激が多くなると、メラニン色素の産生も活発になります。ただ、それも肌の新陳代謝（タ
ーンオーバー）が正常なうちは、徐々に皮膚の表面から消えて行き元通りになります。
しかし、紫外線に当たり続けることでメラニン色素が過剰に産生され続けたり、加齢によ
り肌のターンオーバーの遅れが常態化するようになったりすると、メラニン色素は肌に沈
着し、やがては定着してしてしまいます。このようにして、皮膚の一部に定着した色素は
シミ（限局性色素沈着）と呼ばれることになります。
色素沈着は、一度起きると改善が難しい類のものですので、紫外線対策を徹底して予防す
ることが優先課題ですが、それでも色素らしいものが現れた場合は、とりあえずはセルフ
ケアで、できるだけのことを試みてみることです。
２．色素沈着改善のセルフケア
まずは、それ以上の色素沈着を増やさないための対策を徹底することです。日焼け止めや
帽子、日傘、衣類など、あらゆる紫外線対策を考えましょう。夏はもちろんですが、冬や
曇りの日でも紫外線は降り注いでいますので、１年中、対策を怠らないようにすることが
大切です。
肌のターンオーバーに関しては、加齢による肌の機能低下はある程度仕方ないにしても、
規則正しい生活スタイルを保つことで、かなりのカバー効果が期待できると言われていま
す。質の良い睡眠、栄養バランスの良い食事、ストレス解消など、日頃から自分に不足し
ていると思っているようなところから改善して行くと良いかも知れません。
的かも知れません。ただし、これさえ飲めば良いという考えの人にはおすすめしません。
次に、適度な運動を習慣化してみましょう。肌のターンオーバーを促進するためには血行
の促進が重要なポイントです。どのような運動でもかまいませんので、継続できるものを
選んで習慣化しましょう。ウォーキングなどが誰にでもすぐできる運動として人気がある
ようです。特に冷え性を自覚しているような人は、体を温める効果のあることは何でも進
んで取り組むようにして下さい。
最後に化粧品にも注意してみましょう。自分の肌に合ったものを使うことは当然ですが、
黒色メラニンを淡色化して目立たなくする効果が期待できるタイプのものもあります。「
ビタミンＣ誘導体」や「ハイドロキノン」といった成分が配合されているタイプのものが
それに該当します。ハイドロキノンは、高濃度のものは皮膚を傷めると言われていますが、
市販されているレベルなら、それほど心配するようなものでもありません。心配な場合は
パッチテストを受ける、皮膚科で処方してもらうといった方法もあります。
