手荒れが治らない理由

ひび割れや水疱、皮剥けなど、手荒れと言われる症状は、病院へ行
っても薬を塗っても、なかなか治らないというのが一般的なケース
で、ステロイドなどを使っても、多少の改善は見られるものの、す
ぐにまた悪化してしまいます。
 
もともと皮膚が敏感であるとか、アトピー体質であるとか、手荒れ
を起こしやすい人もいますが、いずれにしても手荒れは一度悪化し
てしまうと長期化する人の方が多いと言われています。
 
手荒れが生じる主な原因は、手の表面を覆う「皮脂膜」が水仕事、
洗剤、お湯、紙、パソコンなど刺激を繰り返すことで、皮脂が取れ
過ぎることがきっかけになります。
 
　　　　　
 
手荒れは、主婦や飲食店従業員、美容師、事務職員など、手を使う
仕事に携わる人に多くできることから主婦湿疹とも言われます。
 
手には汗腺は多くあり汗はたくさん出ますが、毛穴は少ないので、
皮脂の分泌は多くありません。なので、一度皮脂膜が剥がれてしま
うとなかなか回復しないので、刺激を受けやすく、かぶれや湿疹が
続くことになります。
 
これが手荒れが治りにくい理由ですが、もともと刺激に過敏な体質
やアトピー性皮膚炎などの敏感肌の人の場合は、更に手が荒れやす
い傾向にあるのです。
 

　手荒れ改善への対策

初期の手荒れは、その症状の現れるのが主に「利き手」からと言わ
れ、親指、人差し指、中指などの先端から「小水疱」「カサカサ」
「ひび割れ」などが起こります。
 
　　　　　　　
 
慢性化して悪化すると、皮膚がザラついたり、ジクジクした状態に
なります。
 
このような従来型の手荒れとは別に、最近増えているのがスマホな
どの使用で、弱い刺激が繰り返し加わることで起こる手荒れです。
 
これは、次第に皮膚が薄くなり、極端に言えば「指紋がなくなる」
といったような症状になります。
 
いずれにしても、手の使いすぎが原因になる手荒れの対処法は、手
を使わないということが一番なのですが、なかなかそのようにもい
かないところが問題で、ステロイド外用薬などを使って炎症を鎮静
化させることになります。
 
しかし、ここで注意して欲しいことは、ステロイド外用薬は、手荒
れによる湿疹や炎症を鎮静化させるのには有効な薬ですが、手荒れ
を治す薬ではないということです。
 
なので、本来は保湿や刺激を防御する対策で、適切なスキンケアを
行い皮膚のバリア機能を回復させることを目標にし、ステロイドに
頼った治療は避けるのが副作用の点からも賢明です。
 
　　　　　　　
 
手荒れは、アトピー性皮膚炎などと同じく、慢性経過する皮膚疾患
ですので、一時的に改善されたように見えても油断せず、手荒れ対
策用のクリームなどを使って、水仕事の前後などにスキンケアをま
めにすることが、実は、手荒れを完治する最短の方法になります。