1.糖尿病の原因と症状
糖尿病は健康診断などで「血糖値が高い」と指摘されたことで気付くことが多い病気です
が、初期ではそれほど自覚症状が少ないということです。
私たちが食事で糖質(炭水化物)を摂取すると血液中のブドウ糖(血糖値)が高くなりま
す。すると、膵臓から「インスリン」というホルモンが分泌されて、グリコーゲン(肝臓
や筋肉に蓄えられる)や脂肪(脂肪組織に蓄えられる)というエネルギー源に換えて蓄え
られる仕組みになっています。そのため普通の状態なら、多少食べ過ぎても血糖値は一定
に保たれているのです。
糖尿病とはこの血糖値を一定に保つ仕組みが何らかの原因で正常に機能しなくなった状態
のことで、その原因とされているのが「加齢」「食生活」「運動不足」「ストレス」「睡
眠不足」などの生活習慣と言われています。
初期のころには、一般的には自覚症状がないということになっていますが、それは糖尿病
の症状がよく知られていないためで、食後の強い眠気や多尿(頻尿)なども、血糖値が上
がった状態で、インスリンの機能が正常に作用していないときによく見られる症状です。
では、糖尿病になると何が問題なのかと言うと、私たちの体の血管を流れる血液が砂糖水
のような状態になったということで、血糖値が高くなればそれだけ濃くなってドロドロ状
態が増していきます。すると、細い血管(目・腎臓・神経など)では血液が流れにくくな
り、三大合併症といわれる「網膜症(失明に至る)」「腎不全(人工透析に至る)」「末
梢神経障害(足の壊死・切断に至る)」を引き起こすリスクが高くなるのです。他にも血
管が詰まることで「心筋梗塞」や「脳卒中」などの発症リスクを高めたり、免疫機能も低
下させてしまうため、感染症などを重症化させてしまうことにもなります。
2.糖尿病の予防と改善
2型糖尿病(後天性)の場合は、その原因が「加齢による膵臓の機能低下」と「日常の生
活習慣」が主なものですので、ある意味「老化現象」の1つでもあるため完治することは
望めません。しかし、年齢以外の生活習慣を改善していくことが、そのまま糖尿病の改善
にも予防にもなりますし、今以上に悪化させないようにすれば、特に問題なく普通の人生
を送ることも可能です。なので、糖尿病は決して軽く見て良いというものではありません
が、自分の意思でコントロールできる病気でもあるのです。
実際には何をすれば良いのかというと、規則正しい食生活(特に食べ過ぎに注意)して、
適度な運動、ストレスの解消に努めることが基本です。食生活では「糖尿病=甘いもの」
というイメージを持っている人が多いですが、もちろんそれも間違いではありませんが、
実際に慢性的な血糖値の改善には「炭水化物」の摂取量を控えることです。
ご飯・パン・麺類など、主食としているところに糖質が多く含まれているので、まずはこ
の主食の部分を2~3割減らして、空腹に耐えきれなければ野菜・魚・肉などの摂取量を
増やすことです。もちろん、現代人は食べ過ぎと言われていますので、できれば全体的に
食事量は2~3割減らして、それに慣れるという方向が良い人が多いかも知れません。
急には無理という人は、徐々に計画的に減らして行くことでも良いと思いますが、自分は
糖尿病であることを意識する上でも、実際に血糖値を調整する上でも役に立つと言われて
いる「糖解錠」などの併用もおすすめしたいと思います。
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