1.変形性肘関節症とは
テニス肘として知られている変形性肘関節症は、テニスや野球などの激しいスポーツや重
労働、ケガ、加齢などによって、肘への負担がくり返されることで、肘に痛みや変形が生
じることを言います。主な原因としては、加齢などで肘の軟骨がすり減った状態で骨と骨
がぶつかるようになって生じる症状と言われています。
初期のころは、長時間の労働やスポーツなどで無理をしたようなときに現れますが、安静
にしていると症状が軽減するため放置されることが多いようです。しかし、進行すると肘
の曲げ伸ばしがスムーズにできなくなったり、小指や薬指にしびれが出ることもあります。
変形が進行すると、急に肘がある角度で動かなくなって固まってしまう(ロッキング)こ
ともあり、肘の可動域が制限されてしまい、無理に動かそうとすると激痛が生じるため、
食事や歯磨き、洗顔などの日常生活にも支障が出ることがあります。
また、変形した部分が肘の内側を通る尺骨神経を圧迫する(肘部管症候群)と、小指と薬
指の一部がしびれたり、手の筋肉がやせて小指や薬指が変形したりすることもあります。
2.肘関節症の対処方法
一度変形してしまうと、軟骨や骨は元通りにはなりませんが、日常生活に支障が出ない程
度の痛みや炎症であれば保存的治療(手術しない方法)が推奨されています。その目安と
しては、肘を曲げて、口に手が届く、トイレの始末ができるといったようなことです。
保存的治療の方法としては、肘周りの筋肉トレーニングやストレッチで筋力の強化をし、
肘サポーターなどの使用で肘の負担を軽くするように努め、特に肘を使う必要のないとき
はできるだけ安静を保つようにします。
また、自分に合った非ステロイド性抗炎症薬や鎮痛薬なども準備しておくと役に立ちます
し、神経の回復に役立つビタミンB12なども意識して摂るようにしましょう。
日常動作に制限がかかるような状態になったら、手術ということになりますが、特に指の
動きに支障が出ている場合は早期の手術を検討する必要があるかも知れませんので、でき
るだけ早めに整形外科で診察を受けるようにしましょう。
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