関節痛の代表は変形性膝関節症
日本人の約２５００万人が患っているというのが「変形性膝関節症（関節痛）」です。そ
の原因は体重の増加や加齢による筋力の衰えなどにより、膝への負担が増えることで軟骨
がすり減り、大腿骨と脛骨がぶつかり合って膝に痛みを感じ、徐々に膝関節が変形してい
くというものです。
膝関節が完全に変形してしまう「末期」まで進行してしまうと、歩行困難になってしまう
という恐ろしい疾患ですが、その予備群が日本人の４人に１人もいるということなんです。
将来的な解決策としては、再生医療という希望もありますが、まだ研究は始まったばかり
で、その成果への期待も夢の中といったところです。なので、現在の私たちに出来ること
は、少しでも軟骨の減るのを防ぐことしかありません。
よく治療を受けているのでと安心している人もいますが、そのほとんどは軟骨を再生する
というものではありません。たいていの場合、ステロイド系の注射による炎症治療による
痛み止め、ヒアルロン酸注射による膝への負担軽減処置といったものです。つまり軟骨と
は関係のないところでの治療を受けているということになります。
なので、治療を受けていても、いなくても、軟骨を減らさない努力をしない限り、歩行困
難という最終段階にまで進んでしまうリスクはすべての人にあるのです。
早いほど良い変形性膝関節症予防
変形性膝関節症の主な原因は「老化」ということになりますので、その疾患は誰にでも起
こり得るということになります。しかし、そのリスクは肥満気味、運動不足、Ｏ脚気味の
人には特に大きくなりますので、自覚している人はより注意が必要になります。
朝起きたときなど、長時間同じ姿勢を続けたときや歩いた後に、膝やひじなどの関節に痛
みを感じたり、動きにくかったりしたことはありませんか？これらの症状は寒い時期に感
じやすくなるのですが、このような症状が「関節に炎症が起きている」目安の１つです。
つまり、４人に１人の仲間に入っているということなので、まずはこの時点で、関節に負
担をかけない生活を心掛けることが大切です。
肥満気味の人は体重を減らす、外出時はクッション性の良い靴を履く、正しい姿勢で歩く、
ストレッチ運動や軽い屈伸運動などで筋肉を強化する、必要な成分をサプリメントなどで
補給するといったことなどが自分でできる予防と対策になります。
現時点では、まだ骨そのものを再生するということはできませんので、できるだけ早く関
節の異常に気付き、できるだけ早く予防と対策を始めることが最善の方法です。
ただ、中高年と言っても、まだまだ若いと自覚している人の中には、運動をし過ぎて逆に
関節の軟骨をすり減らしてしまう人も少なくありません。ウオーキングや筋肉トレーニン
グであっても同じですので、個人差はありますが、できるだけ早く適正量を把握すること
も大切な関節痛の予防法です。
また、よく似た症状に「関節リウマチ」という疾患がありますが、この場合は全体の患者
数の約８割が３０代～５０代の女性が占めるといった特徴があります。老化により間接の
軟骨がすり減る症状とは微妙な違いがありますので、比較的若い頃に関節痛を発症した場
合は関節リウマチも考えてみる必要があります。
