関節痛の名称と症状

関節痛の定義としては、「炎症や外傷による関節部の痛み」という
ことで、運動のし過ぎなどによる関節の障害による痛みというのが
それに該当するのかなと思いますが、実際に関節痛で悩む人は、加
齢や運動不足による関節の変形、肥満による関節への過剰負担、関
節の軟骨量の減少などによる関節の痛みといったことが原因の関節
の痛みではないでしょうか。
 
もっとも、野球やゴルフ、テニスなどを日常的に行う人で、特定の
関節を酷使して炎症や変形を起こすということもありますが、その
ような場合は専門のトレーナーなどの指示を仰ぐ方が解決しやすい
と思いますので、こちらではそれ以外の関節痛についてということ
になります。
 

 
では、その関節痛を伴う疾患とはどういうものがあるのかと言うと、
「四十肩・五十肩」「変形性膝関節炎」「関節リウマチ」「化膿性
関節炎」「痛風」「捻挫」などがあります。
 
俗に四十肩・五十肩と言われる肩関節の痛みは、正式には「肩関節
周囲炎」と言い、加齢により肩の関節やその周囲の組織に慢性的な
炎症が起こる疾患です。経験された人はご存知かと思いますが、腕
を上げたり、後ろに腕を回すこともためらわれるほどの痛みがあり、
回復まで１年前後の時間を要します。
 
変形性膝関節炎は、膝関節の軟骨がすり減ることで、関節が変形し
たり炎症を起こして痛みを生じる疾患です。女性に多く見られる特
徴がありますが、加齢による関節の変形や肥満による体重過多が原
因で、最初の間は長時間歩行やスポーツのあとの膝の痛み程度です
が、徐々に進行してくると歩き始めから痛むようになり、最終的に
は立つこともできなくなります。
 
関節リウマチは、感染症に起因する免疫異常が原因の慢性的な関節
の炎症で、関節がこわばったり、腫れたり、痛んだり、筋肉が硬直
するといった症状が現れる疾患ですが、やはり女性に多いのが特徴
です。
 
　　　　　　　　
 
化膿性関節炎は、怪我などで関節に細菌が入り込み、化膿して炎症
を起こす疾患です。赤く腫れ、痛みが生じ、ときには関節を破壊し
てしまって日常生活に支障が出ることもあります。
 
痛風は、名前を知っている人は多いと思いますが、アルコールや食
品に含まれるプリン体の過剰摂取や水分の不足などにより、血液中
の尿酸値が高くなり、溢れた尿酸が結晶化し関節にたまることで炎
症を起こす疾患です。名前の通り、風が吹いても痛むというほどの
激痛に襲われます。
 
捻挫は、関節周辺の靭帯に無理な力が加わって組織が切れた状態で、
足首の関節に起こることの多い疾患です。これは多くの人が経験し
ていると思いますが、通常は腫れや痛みが治まれば完治しますが、
靭帯が完全に切れてしまったような場合は、手術による治療が必要
になります。
 

　関節痛の予防と対策

関節痛は、直接には命にかかわるものでもなく、治療にも時間がか
かることから、案外そのまま放置している人も多いのですが、進行
すれば寝たきりになったり、介護を受けなければ身動きできない状
態になることもあります。
 
なので、これを読んでくれている人は、まだそれほど深刻な状態で
ない人が多いと思いますが、関節通を悪化させないように対策を立
てるのは今なのです。
 
　　　　　
 
関節痛の予防法としては、まず今以上に関節が劣化するのを防ぐこ
とです。そのためには、ウォ―キングなどゆるやかな運動を始める
ことをおすすめします。激しい運動は逆に関節に負担をかけること
にもなりますので注意しましょう。
 
肥満気味の人は、まずは体重を落とすことです。それだけでも関節
への負担はかなり低くなります。特に肥満を自覚している人は、生
活スタイルは和式より洋式に変える方が膝関節への負担が軽くなり
ます。座布団よりイス、布団よりベッド、和式トイレより洋式トイ
レなどですね。
 
靴など履き物は、ヒールの高いものや、靴底が片減りしたものは、
案外膝に負担がかかりますので常に注意しましょう。
 
そして、関節痛にはやはり、体を冷やさないことが大切であること
は言う間でもありませんね。
 
　　　　　
 
慢性的に痛みを感じている人は、温熱療法が効果的と言われていま
すので、温湿布やぬるめのお風呂でしっかり温めましょう。
 
階段を昇り降りするときの注意は、昇るときは痛みを感じる足から
昇り、降りるときは痛みの強い方から降りるのが原則です。
 
また、最近は飲み薬や湿布薬ではなく、塗る関節痛のクリームとい
うものも販売されていますので、評判の良いものは試してみるとい
う前向きな精神も大切です。
 
このような対策をしてみても、どんどん悪化していくという場合は、
他の疾患が隠れている疑いもありますので病院で受診してください。
また、関節リウマチ、化膿性関節炎、痛風、捻挫なども、症状次第
で病院での診察を受けるようにして下さい。
 
さぁ、関節痛と無縁の生活を送るために、今日から頑張りましょう。