膝関節が痛くなる原因
加齢とともに「膝関節痛」に悩む人が多くなります。老化と言ってしまえばそれまでです
が、階段を上がったり、下りたりするだけでも「ズキン」と痛むと、歩くことさえ恐ろし
くなり、外出を控えるようになり、あまり動かなくなることで、更に悪化するということ
もよくあります。
よく言われる膝関節痛の原因は「軟骨がすり減る」ということですが、それでは高齢にな
れば誰でも膝関節が痛むのかと言うと、そういうものでもありません。
軟骨が損傷すると、体内にあるグルコサミンなどの軟骨成分が修復するため、それほど問
題になることもありませんが、実際に膝関節痛に悩む人は日常生活に問題があることが多
いのです。
例えば、歩く姿勢が悪いと、それだけでも膝への負担が大きくなります。そんな状態で健
康のためにとウオーキングや運動をすると、必要以上に軟骨をすり減らしてしまうことに
なります。更に、膝に炎症を起こすことで「関節包」の硬化も早くなります。
実は、初期の膝関節の痛みは、軟骨がすり減って骨同士がぶつかって痛みが生じていると
いうより、関節包が硬化することで周辺の痛みを感じる神経に刺激を与えてしまうことが
原因である場合が多いのです。
歩いているときに膝が痛むのはもちろんですが、関節包が硬くなると「膝の曲げ伸ばし」
そのものが痛みの原因になることもありますので、膝の痛みなら何でも軟骨の問題と考え
るのは正しくありません。
とは言え、最終的には「寝たきり」などの原因になるのは、軟骨がすり減って歩けなくな
るほど悪化することによるものですので、現在の膝の痛みが「軟骨」の問題でなかったと
しても、将来的にはそこに到達することになりますので、特に更年期頃の女性の場合は、
まず、膝の負担を軽くするような対策をしながら、前向きに対処することです。
変形性膝関節症の対処法
膝が痛いときに考えられる病気のトップは「変形性膝関節症」です。特に中高年の女性の
場合に多い症状です。膝に痛みを感じるとか、膝に水がたまる、とか表現されていること
が多いですが、これは膝の関節に炎症が起きたことを意味するものです。
なぜ女性に多いかと言うと、加齢とともに軟骨が老化することは自然の現象ですが、更年
期以降の女性はホルモンバランスが乱れることで太りやすくなります。つまり、軟骨が老
化して減りやすくなっている上に、体重が増加すると、軟骨の受けるダメージが更に増え
ることになります。
そして、この頃には骨粗しょう症なども発症しやすくなりますので、気が付かないうちに
歩く姿勢も変化していたりすることで、膝関節に一層の負担を強いることになります。
膝関節の痛みの初期は、立ち上がる動作や歩き始めのときなど、動き始めるときに痛みを
感じるものの、少し休めば痛みを感じなくなるといった症状が現れます。
やがて、階段の上り下りや正座することが負担に感じるようになります。【中期症状】
この辺で、やっと膝の問題に向かい合う人が多いようですが、ここはもうのんびり構えて
いる段階ではありません。まもなく状態が悪化して、歩けないほどに痛みが強くなり、安
静にしていても痛むというレベルになります。【末期症状】
では、どうすれば良いのかということですが、歩けないほど、安静時でも痛むというとこ
ろまで悪化してしまった人は、もう自分では無理ですので整形外科などで診察を受けて、
医師の指示に従って治療することになります。
初期や中期の症状で、まだ自分で何とかできそうだという場合は、まずは「体重を減らす」
ことから始めましょう。その一環としてウオーキングなどをする人も多いかも知れません
が、大切なことは、日常生活でもウオーキングでも正しく歩く姿勢を身につけることです。
自分では難しいという人には、足に着けるだけで正しい歩行ができる器具もありますので
それを活用しましょう。
そして、状態の悪化を防ぎ、痛みの軽減をめざして「ストレッチ」や「マッサージ」をす
るだけでもかなり効果があります。マッサージには炎症を抑制する働きのあるクリームな
どを使用すると効果的です。
また、軟骨のすり減りも気になる人は、プロテオグリカンを摂取して下さい。
何事も早く気付いて、早めに対処することが最善の方法ですので、膝に違和感を覚えたら
肥満を解消することから始め、現在の症状に合った対策を立てて実践することが、膝の寿
命を延ばして健康的な生活を送ることにつながるのです。