関節痛が起こる原因
寒くなると、膝や肘、指などの関節に痛みを感じたり、思うように動かせなかったりする
という話をよく聞くようになります。これは関節に炎症が起きているケースが多く、特に
寒い時期だけの症状ではありませんが、寒くなると、痛みやこわばりの症状を感じやすく
なるということです。
では、その痛みやこわばりの原因は何かというと、変形性関節症と関節リウマチが代表的
なものと言われていますが、同じ関節の障害でも、両者は根本的に違います。
また、近年は健康志向とかで、中高年になってスポーツを始める人が増えていて、それ自
体は悪いことではありませんが、ついつい頑張り過ぎて関節に障害が出るという人も増え
ています。しかし、これも症状としては同じように関節の痛みやこわばりといったもので
すが、その原因は全く別のものです。
なので、関節に違和感を感じたときは、しばらく様子を見ながら、まずその根本的な原因
を知ることが大切です。
具体的にどう違うのかというと、変形性関節症は、関節の骨と骨の間でクッションの役割
をしている軟骨が、加齢により欠けたり、すり減ったりすることで、関節の動きが悪くな
って、関節の周囲に炎症を起こしている症状です。
関節リウマチは、自己免疫疾患で、本来は外部から侵入してくる細菌などを攻撃して体を
守る機能ですが、それが過剰に働いて自身の体の一部を攻撃してしまうことで起こる症状
です。なので、免疫異常は全身に影響を及ぼしますが、そのなかで関節に起こった症状の
ことを関節リウマチと言います。
スポーツのやり過ぎと言うと、筋トレなどハードな運動を思い浮かべるかも知れませんが、
これまで運動らしいことをしていなかった人には、ウォーキングやゴルフなどでも、軽度
の関節症を起こしていることがよくあります。この場合は、原因も分りやすいですが、そ
れだけに無理をしやすく、症状を悪化させてしまうことがよくあります。
変形性関節症の予防
中高年以降で、もっとも多い悩みが、関節の老化で起こる変形性関節症です。また、その
なかでもいちばん起こりやすいのが膝で、その原因となる軟骨は一度すり減ったり、欠け
たりすると復元しないと言われていますので、症状は悪くなる一方でしかありません。
なので、免疫疾患や過剰スポーツなどに心当たりがない人が関節に違和感を覚えた場合は、
早めの予防・対策が必要です。
特に、日頃から運動をしない人や肥満気味の人は、変形性膝関節症になりやすいとされて
いますので、体重を減らすことを心掛け、まずは軽いストレッチなどで体を動かすことか
ら始めてみましょう。
そして、関節を冷やさない、同じ姿勢を続けない、正しい歩き方を心掛ける、О脚などを
指摘されている人は、靴にインソールを使うなどして補正することも必要です。さらに、
慣れてくれば、軽い運動をして関節を柔軟にしたり、周辺の筋肉を強化して、膝の負担を
軽くすることです。
また、最近話題の軟骨の分解を促進する酵素を抑制しながら、骨の健康を保つという革新
的なサプリメントもありますので、特に更年期以降に膝の痛みで悩んでいる人には良いか
も知れません。
関節リウマチか変形性関節症か、違いがよくわからない人も多いかも知れませんが、関節
リウマチの約８割が女性で、年齢的にも比較的若い世代（３０～５０代）から発症するこ
とが多く、原因不明の微熱や倦怠感が続いたり、手足の指にこわばりや腫れ、痛みを感じ
ることが多いと言われています。絶対的なものではありませんが、関節リウマチの特徴と
して覚えておくと良いでしょう。
もちろん、思い当たるところがある人は、変形性関節症とは全く別の病気ですので、様子
見ではなく、リウマチの専門医を受診し、適切な治療を受ける必要があります。