１．腰椎椎間板ヘルニアの症状とは
椎間板とは、背骨のつなぎ目でクッションのような役割をしている線維軟骨のことを言い
ます。椎間板ヘルニアとは、何らかの原因で椎間板に外圧が加わり、内部の柔らかい部分
が飛び出して神経を圧迫することで痛みなどの症状が現れることを言います。
つまり、腰椎椎間板ヘルニアとは、背骨の椎間板が飛び出して周辺の神経を圧迫すること
で、腰や下肢に痛みやしびれの症状が現れる状態のことです。
椎間板ヘルニアの発生する場所は、頚椎、胸椎、腰椎の３カ所で、２０～４０代の男性に
多く見られるのが腰椎椎間板ヘルニアと言われています。体質的なものというより、仕事
で重量物を持ち上げたり、肉体労働、スポーツなど、椎間板に負荷がかかる行為が多いこ
とによるものです。
腰椎椎間板ヘルニアの初期症状としては腰痛であることが多く、時間が経過すると下肢の
しびれや知覚障害、筋力低下などの症状も現れることがあります。下肢に現れる症状は、
一般的に片方に起こるのが普通です。たまに両方の下肢に痛みを訴える人がいますが、そ
の場合は脊柱管狭窄症の疑いもありますので、両面から診察を受ける必要があります。整
形外科を受診してみましょう。
また、他の病気が原因の腰痛もありますので、診察を受ける前には、できるだけ症状を確
認しておくことも大切です。若い世代に多いのが腰椎分離症、高齢者に多いのが骨粗しょ
う症とも言われていますが、なかには悪性腫瘍などでの可能性もあります。
たまに、ぎっくり腰（急性腰痛症）＝腰椎椎間板ヘルニアと考えてる人もいますが、腰椎
椎間板ヘルニアもぎっくり腰の１つですので、まちがいという訳でもありませんが、ぎっ
くり腰とは、重たいものを持ったときなどに筋肉の過緊張で急激に起こる痛みの総称です。
なので、ぎっくり腰の場合は、２～３日で症状が軽減して行きますが、腰椎椎間板ヘルニ
アの場合は回復までに長期間（１カ月程度）を要します。
２．腰椎椎間板ヘルニアの予防方法
腰椎椎間板ヘルニアもぎっくり腰も、その予防方法は共通点が多いので、腰痛の悩みがあ
る人は、とりあえずは両方を予防する方法として覚えておきましょう。
まず、腰痛を起こすほとんどの場合が、腰の筋肉の緊張です。つまり腰の血液循環が良く
ないということですので、オーバーワーク気味のときは、日頃からゆっくり入浴したり、
温湿布を貼るなどして筋肉の緊張を緩和させるように努めることです。
次に、腰痛を経験している人は、何となく自覚していると思いますが、運動不足などで腰
の筋力が低下していることが多いようですので、お金も準備も必要なくできるウォーキン
グなどから始めてみましょう。１日２０～３０分程度でも、筋力強化・血行促進効果が期
待できますので、ぜひ実行してみてください。
そしてもう１つ、腰への負担を増やすのが姿勢の悪さです。１日中姿勢のことばかり考え
て生活するのは大変だろうと思いますが、毎日５～１０分程度でも姿勢を良くするような
工夫をしてみましょう。最近よく問題になるスマホの使いすぎ（スマホ首）的な姿勢には
ネックストレッチャー、猫背の人は背中ストレッチャーなどの手軽な矯正器具も販売され
ていますので、それを利用するのも１つの方法です。
また、肥満を自覚している人は、体重をコントロールする方法も覚えるようにしましょう。
腰椎椎間板ヘルニアを繰り返さないためには、加齢とともに少しずつ身体の機能が衰える
ことは仕方ないにしても、荷物を持つときは中腰にならず、膝を使って（腰を落として）
持ち上げるようにしましょう。もっと言えば、荷物に限らず背骨を前に倒すような動作を
避けるようにすることです。
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