プロテオグリカンとは
プロテオグリカンの説明を探してみると「特殊な構造をもつ糖とタンパク質の複合体」と
書かれていますが、これで分かる人はあまり多くありませんよね。
そこで分かりやすく言えば、「皮膚や軟骨などに存在する細胞で、ヒアルロン酸結合領域、
グルコサミノグリカン、ＥＧＦ様領域、コアタンパク質で構成されている」いわゆる特殊
な構造をもつ複合体ということになる訳です。
すると何となく意味が理解できてくると思いますが、ヒアルロン酸結合領域というのは、
そままの意味で、ヒアルロン酸と結合してヒアルロン酸の産生を促進する働きをすること
で、みずみずしいお肌を支えてくれる原動力としてエイジングケア効果があると言われて
いるんですね。しかも、プロテオグリカンそのものもヒアルロン酸より高い保湿効果があ
ると言われているんです。
グルコサミノグリカンも水分を保持する働きがある成分ですが、このグルコサミノグリカ
ンを構成する１つの成分がご存知のグルコサミンなんですね。
ＥＧＦ様領域というのは、細胞の成長や増殖を促進する働きのある成分であるＥＧＦのよ
うな働きをするということで、具体的には「シワ」「ハリ」「ターンオーバーの活性化」
などに貢献する成分です。
というと、どこにも膝軟骨と関係していないじゃないかと思われるかも知れませんが、こ
れはプロテオグリカンの構成物質の説明で、これだけでも美容面でプロテオグリカンがモ
テモテである理由がわかりますよね。
で、これらの構成成分で出来ているプロテオグリカンそのものは、動物の軟骨を構成する
「糖タンパク」の一種でもあるのです。なので、化粧品でも軟骨サプリメントの分野でも
人気が急上昇しているということになります。
軟骨成分のプロテオグリカン
プロテオグリカンに含まれる「糖」は水との相性がよく、多量の水分を蓄えておくことが
できる性質のものであり、この保水性に優れていることが衝撃を吸収する作用をはじめ健
康維持に大切な働きをするのです。
動物の関節（骨と骨が連結する部分）には、必ず軟骨組織があり、その軟骨のクッション
性のおかげで骨と骨がぶつかることなく活動できる仕組みになっています。そして、その
軟骨を構成する成分の１つがプロテオグリカンなのです。
プロテオグリカンは、本来は体内で生成されるものなのですが、加齢やホルモンバランス
の変化などでその生成能力が低下します。すると、軟骨組織は減る一方になり、やがて骨
と骨がぶつかり合うようになります。それが関節痛と呼ばれるものですが、特に膝は体重
を支える場所でもあり、クッションがなくなると強い衝撃が加わり、痛みも腫れも生じや
すくなってしまいます。
高齢者になれば、特に女性の高齢者に膝関節痛が多いのはこのためで、プロテオグリカン
を摂取することで軟骨成分の生成を促し、軟骨の石灰化を抑制する働きに期待しようとい
うのが膝関節にプロテオグリカンがすすめられる理由なのです。
そんなに良いものがどうして使われずに、その構成物質の１つの中の１つの成分であるグ
ルコサミンが関節痛に良いとされてきたのかという疑問がありますが、それは単純に値段
の問題です。
プロテオグリカンが良いとわかっていても、少し前までは１ｇが３０００万円ともいう高
額な成分だったので、とてもサプリメントや化粧品に使えるものではなく、その代用とし
て、せめてもその構成成分の１つで、かつ軟骨とゆかりのあるグルコサミンが使われてい
たということです。
技術の進歩で大量生産が可能になった現在では、何だかだまされたと思われるかも知れま
せんが、それでもこれまでは庶民が入手できる手頃な軟骨成分として人気があったことに
変わりはありません。
今なら、グルコサミン時代と同じようなお手頃価格で、プロテオグリカンそのもののサプ
リメントが手に入る有難い時代ですので、グルコサミンでシックリこなかったという人も、
ぜひ、もう一度挑戦してみて欲しいと思います。
