関節痛と神経痛の違い
関節痛も神経痛も、加齢とともに「痛い」と感じる悩みで共通する症状ですが、その痛み
の原因は全く違うものです。
関節痛とは、関節の炎症が原因で生じる痛みで、立ち上がったり、腕を上げたり、歩いた
りするときに痛みを感じる症状です。炎症を起こす原因は「老化」「肥満」「過度の運動」
などさまざまですが、軟骨がすり減ることで関節が変形して痛みが現れます。一般的に腰
や膝・肩などに現れることが多いとされています。
神経痛とは、主に末梢神経が炎症を起こすことで生じる痛みです。痛みを感じる神経その
ものが炎症を起こすので「激痛」に近い痛みになりますが、比較的短時間で治まり、やが
てまた痛むという症状がくり返し起こります。
末梢神経が炎症を起こす原因は、腫瘍や外傷、骨の変形など、末梢神経を直接刺激するこ
とで引き起こされるものと、原因不明で起こるものがあります。なので、原因が特定でき
ない痛み全般を神経痛として扱われることも多いですが、たまに重大な病気が原因になっ
ていることもありますので、診断に納得がいかないような場合は、さらに精密な検査を受
けるなど原因を究明する姿勢も必要です。
神経痛としては主に「三叉神経痛（顔面の片側に起こりやすい激しい痛み）」「肋間神経
痛（肋骨の間に生じる痛み）」「坐骨神経痛（臀部からもも、ふくらはぎに広がる痛み）」
が多いとされています。
関節痛も神経痛も病名ではなく、原因となる病気が引き起こす症状のことを言いますので、
治療法も原因となっている病気に対するものでなくてはなりません。
関節痛と神経痛の対処法
関節は体を動かすための組織で、機械的な刺激を受け続けることになり炎症を起こしやす
い部位でもあるため、高齢になると関節痛に悩まされる人が多くなります。その代表的な
ものは膝や股・腰の変形性関節症と言われるもので、ある意味、関節痛と言えばこれらの
ことしか思い浮かばないというほど多い関節の病気です。
もちろん、関節痛は高齢者に限ったものでもありませんし、原因も感染症、アレルギー、
代謝異常などさまざまですが、ここでは代表的な膝や腰など高齢者に多い変形性関節症に
ついて取り上げます。
見極め方法としては、痛みが激しく高熱がある場合は、他の感染症や病気が関係している
ことが考えられますので、それぞれの病気に応じて治療することになります。
膝や腰などの変形性関節症では、じっとしていても痛む、歩けばもっと痛むといった感じ
で生活そのものに支障が出ているような場合は、まずは病院で診察を受けることです。
一時的な場合や動き始めに痛むというレベルなら、まだセルフケアで間に合います。最初
にやるべきことは肥満の解消、軟骨成分の補給、足・腰の筋肉の強化が中心です。
膝が痛いのに足・腰の筋肉を強化することは難しいと思うかも知れませんが、運動選手の
ようなトレーニングをする訳でもありません。椅子に座ってタオルを手繰り寄せたり、足
を上げ下げするような軽い運動で良いのです。
神経痛の対処法は、痛みが激しく、その痛みが続くような時は、自主的に病院へ行く人が
ほとんどだろうと思いますが、痛みが軽く病院へ行くほどでもないものの、慢性的に不調
を引きずっているような場合（特に三叉神経・坐骨神経・肋間神経）は症状を緩和すると
いう医薬品が良いかも知れません。
そして、神経痛はいったん回復しても再発しますので、生活習慣の見直し、正しい姿勢、
適度な運動などを心掛ける必要があります。特に、神経痛は気圧と気温の変化に関係して
いると言われていますので、季節の変わり目などは、自律神経の乱れ、さまざまな体の不
調、神経痛対策をセットで心掛けるようにしましょう。
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