骨密度が低下する原因
骨粗しょう症とは、骨密度が低下することですが、私たちの骨は常に古い骨は溶かされて
吸収され、再び新しく形成されるという作業の繰り返しで骨の健康を維持しています。つ
まり、骨折したりすると、欠損部が修復されるのではなく新しい骨に置き換わるのです。
これを骨リモデリングと言います。
ところが、このリモデリングのバランスが崩れ「骨吸収」のスピードが「骨形成」を上回
ると、骨密度が低下することになり、そのような状態を骨粗しょう症と言います。
特に原因となる病気もなく、加齢や閉経、生活習慣などにより骨粗しょう症になることを
原発性骨粗しょう症と言い、ほとんどの場合はこちらに分類されることになります。
ということは、特別な病気でも骨粗しょう症になるということになりますが、こちらは続
発性骨粗しょう症と言い、糖尿病、動脈硬化、内臓疾患、内分泌疾患などの病気や薬が原
因で起こります。この場合は個々の疾患の治療に加え、骨粗しょう症対策をする必要があ
りますので、ここでは、一般的な原発性骨粗しょう症についてのお話になります。
体の機能の老化により、骨リモデリングのスピードが落ちることで骨粗しょう症になりま
す。これは自然の原理ですが、若いころから食生活や運動習慣に問題があると、それだけ
早く骨密度が低下しますので、もっとも基本的な予防法としては、若いうちにできるだけ
骨密度を上げるような食生活や運動習慣を身につけて、それを継続することです。
そして、女性の場合は更年期(50歳頃)から女性ホルモンのエストロゲンが減少し始め
ますが、実はこのホルモンが「骨吸収を抑制」し、「骨形成を促進」する働きをしていま
すので、この時期には一気に骨密度が低下することになります。
圧迫骨折など、骨の悩みが多く出てくるのがこの時期になるのは当然ですね。
圧迫骨折の予防・改善法
一般的には、圧迫骨折は閉経後の女性の骨粗しょう症に伴うことが多いとされていますが、
転落事故など外力が強い場合は若年者にも起こります。
骨折すると腫脹(腫れ)と疼痛(痛み)を伴い、激痛になることもあります。
圧迫骨折を予防するには、定期的に骨密度を測定することから始めます。若年成人の場合
は、骨に異常がなくても平均値の80%未満になると「骨量減少」と診断されます。
骨折が認められる場合や、平均値の70%未満になると「骨粗しょう症」と診断されます。
診断名は違いますが、どちらも尻もちをつく、転倒するなど、軽微な外力でも骨折をする
リスクに大きな違いはありません。
そこで、圧迫骨折の予防法としては、前述のように「食生活」「運動習慣」を通して、で
きるだけ骨密度を高く保つような生活をすることですが、更年期と言われる年代になるま
でに、骨密度の測定結果を参考にしながら、自分なりのメニューを考えるようにします。
更年期になると、わずか数年で20~30%も骨密度が低下するとも言われていますので、
その前に予防法を見つけておくのが理想です。
すでに骨折してしまったという人は、医師の診断を受けて治療することになりますが、そ
の後の再発予防や、まだ骨折はしていないものの骨密度が低下しているような場合は、す
ぐに骨密度を増やす努力をしなければなりません。
カルシウムはよく知られていますが、他にもビタミンD、ビタミンKなども必要です。ビ
タミンKは、日本茶やホウレン草、のり、紅茶など、それほど苦労しなくても日常生活で
十分補えます。ビタミンDやカルシウムはきくらげが効果的な食材として知られています。
そして、骨を強化するには運動です。宇宙飛行士の骨が脆弱化することは証明されていま
すが、骨組織は負荷がかからないと急速に弱くなってしまいます。
運動が嫌いな人には苦痛かも知れませんが、実はウォーキングでも大丈夫ですので、ぜひ
頑張ってみて下さい。
尚、更年期からは、できれば女性ホルモン(エストロゲン)を補給することができれば、
更年期障害対策にもなりますので、余裕があれば試してみて下さい。
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