1.男性も骨粗しょう症予防は必要
骨粗しょう症と言えば、更年期以降の女性に多い病気というのが定説になっていますが、
全体の4分の1は男性が占めています。女性のように更年期という時期を境に急激に増え
るというものではありませんが、男性も高齢になるにつれて骨粗しょう症にかかる人が多
くなります。
女性の場合は、更年期を境に骨量(骨密度)が急激に減少するのに対し、男性は20代で
骨量が最大になり、その後50代頃まではほぼ横ばい状態で推移し、その後に減少が見ら
れるのが一般的な傾向です。つまり、男性の骨量の減少は、加齢による骨の新陳代謝の低
下によるもの(原発性骨粗しょう症)で、70歳を過ぎると骨量の減少が目立つようにな
りますので、靴下を履こうとして前かがみになっただけでも骨折するといったことも稀な
ことではありません。
特に、糖尿病や腎臓疾患、ステロイド薬などで治療を受けているような場合は、骨質(骨
の強さ)を劣化させてしまうケースも多く、骨密度がそれほど減少していなくても骨がも
ろくなり骨折してしまうことがあります(続発性骨粗しょう症)。
さらに、高齢になると筋力が低下したり、バランス感覚が衰えたりすることで転倒リスク
も増えるため、転倒・骨折・介護といった最悪の事態は避けるようにしたいものです。男
性の骨折は女性より骨折後の見通しが悪いとも言われていますので、女性以上に骨折には
注意をする必要があります。男性の場合、喫煙者は非喫煙者より骨粗しょう症による骨折
のリスクが高いとも言われています。
2.男性の骨粗しょう症予防の仕方
男性で70歳前後の人は、まずは骨密度の測定をしてみましょう。近年は簡易な測定器な
らドラッグストアなどでも置いているところがありますので気軽に測定してみましょう。
そして、健康と名の付くものに必要なことは「栄養バランスの良い食事」と「適度な運動」
と言われていますが、それは骨粗しょう症予防にも当てはまります。これらは原発性骨粗
しょう症だけではなく、生活習慣病予防にもなり続発性骨粗しょう症の予防にもなります。
食事は、小食になるとカルシウム・ビタミンD、ビタミンKなどが不足しやすいといわれ
ていますので注意するようにして下さい。
次に、危険因子とされるアルコール摂取量「1日3単位(缶ビールなら350ml×2本、
日本酒なら1合(180ml)」を越える飲酒をしている人は酒量を抑えるようにしまし
ょう。そして現在も喫煙している人は「禁煙」を目指しましょう。特に家族に大腿骨近位
部を骨折したことがある人がいる場合は注意が必要です。
ウォーキングなどが可能な人は、太陽に当たりながらのウォーキングがおすすめです。ま
た筋肉も強化したいなら足指パッドがおすすめです。ただ、高齢者やすでに骨密度が低下
している人が急に運動を行うと、膝や腰をいためてしまうこともありますので、足回りの
柔軟性を高めたり、ふくらはぎやアキレス腱のストレッチなど、あまり骨密度とは関係な
いように思える簡単な運動からでも、何もしないよりは十分骨密度対策になりますので、
ぜひ前向きに取り組んでみて下さい。
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