１．骨粗しょう症とは
人間の骨は、一度できるとそのまま変わらないようにも思いますが、実は、骨も新陳代謝
（骨代謝）によって常に入れ替わっています。その際に、骨を作る細胞と骨を壊す細胞の
バランスが崩れるこてが原因で、骨がもろくなる病気のことを骨粗しょう症と言います。
骨がもろくなる要因は、カルシウムやビタミンＤの不足、薬の副作用、骨やホルモンの病
気などさまざまですが、なかでも、骨を壊す細胞を抑制する女性ホルモン（エストロゲン）
の働きは重要で、加齢による分泌量の低下（特に閉経後の女性）の変化が大きいため、閉
経後の高齢女性に多く見られる病気とされています。
骨がもろくなるとどうなるかは容易に想像できると思いますが、ささいな衝撃でも骨折し
てしまうことになります。骨折しやすい場所は、背骨、太ももの付け根、腕の付け根、手
首など、負担がかかる割に、細い骨で接続されているようなところが多くなります。
しかし、骨折に至るまでにも、さまざまな骨粗しょう症の症状は現れます。代表的な症状
としては、背中や腰が曲がる、身長が低くなる、腰や背中が痛むといったことですが、気
にしていなければ、気が付きにくいですが、加齢とともに骨粗しょう症は起こるという前
提で生活していれば、比較的分かりやすい症状でもあります。
これに気付かないでいると、体のバランスが崩れて転倒しやすくなったり、もっとひどく
なると、くしゃみをしただけでも骨折するといったことも普通にあります。
２．骨密度を上げるには
骨粗しょう症の疑いがあると感じたら、まずは予防をするに越したことはありません。ま
だ骨に以上がなくても、将来のために骨を強く（骨密度の強化）しておくことは、決して
無駄になることはないからです。
一般的に、骨が生まれ変わるには約３年の期間が必要と言われていますので、何もしなけ
れば、少しずつ骨密度は低下して、３年後はさらに弱い骨になってしまいます。逆に、そ
こから骨の強化を考えた生活に転じれば、３年後には、今よりも強い丈夫な骨に生まれ変
わることも可能になります。
では、骨を強化するには何をすれば良いのかということですが、それは食事内容の見直し
と運動をすることです。とても簡単なことですが、ある意味、つかみどころがなくて、か
えって難しいかも知れません。
そこで、代表的な骨の成分であるカルシウムの摂取が紹介されることが多いですが、実は
カルシウムだけではあまり効果は期待できません。
骨の２０％はコラーゲンで作られていて、コラーゲンの原料はタンパク質です。つまり、
鉄筋コンクリートの建物で言えば、鉄筋に該当するのがコラーゲンで、カルシウムはその
鉄を包むコンクリートのような位置にあり、骨の約７０％を占めています。まぁ、この配
分を見れば、骨と言えばカルシウムという考えも理解できますが、鉄筋の入っていないコ
ンクリートだけの建物の強度とはどういうものかと考えてみれば答えがでますね。
また、それとは別にマグネシウムも大切な栄養素になります。マグネシウムは、骨を作る
細胞（骨芽細胞）に働きかけて、骨に吸収されるカルシウムの調整をする働きをしますの
で、しっかりとした骨を作るためには必需成分ということになります。
そして、カルシウムの吸収を助け、体外への流出を防ぐのがビタミンＤで、よく骨にはカ
ルシウムとビタミンＤと言われるのは、この関係によるものです。
さらに、骨にカルシウムをくっつける役割するのがビタミンＫで、骨が溶けだすのを防ぐ
働きもすることから、やはり丈夫な骨には欠くことのできない成分になっています。
いかがですか？骨はカルシウムを摂るだけでは、なかなか強くならないですよね。とは言
っても、毎日の献立をを仕事にしている人でもなければ、このような食事内容を考えるだ
けでギブアップしたくなる気持ちも理解できますので、サプリメントを活用してみるとい
うことも提案しておきたいと思います。
最後に、運動ですが、これはウォーキングがおすすめです。３０分～１時間程度を目安に
継続してみて下さい。１日も休むなと言えば、挫折してしまうと思いますので、天気や体
調の悪い日は休んで、気分の良い日や、天気の良い日は、積極的に歩き、トータルで継続
できていることを目指して下さい。晴れた日の外出は、そのままビタミンＤを摂取してい
るのと同じ効果が期待できますので、健康のためにもぜひ継続して下さい。
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