糖尿病という意味
私たちが食事で摂取する栄養素の一部は、ブドウ糖として血液中を流れています。これが
体を動かすエネルギー源です。ところが現代社会では食料の過剰摂取や運動不足などが普
通の状態なので、常にエネルギー（ブドウ糖）が多い状態になっています。
本来、この余分なブドウ糖は、インスリンの働きで脂肪細胞に蓄えられて、血液中のブド
ウ糖の量は一定に保たれているのですが、加齢などによる膵臓機能の衰えや運動不足など
により肥満状態（内臓脂肪が蓄積）になると、インスリンの分泌量が減少したり、効力が
低下してしまい、血液中のブドウ糖の量が多いままの状態（高血糖）になってしまいます。
これが糖尿病です。
もともと生まれつきインスリンの分泌が少ない人のことを「１型糖尿病」と言い、現代医
学でもインスリン製剤の使用による治療しかありません。しかし、その数は糖尿病全体の
５％前後と言われている少数派で、私たちが一般的に糖尿病と呼んでいるのは「２型糖尿
病」と言れる方になります。
２型糖尿病と言うのは、加齢による膵臓機能の低下によりインスリンの分泌量が低下した
り、内臓脂肪の蓄積（インスリン抵抗性）などにより、インスリンの働きが悪くなったた
めに起こる糖尿病で、食べ過ぎ、運動不足、肥満など、いわゆる生活習慣などの環境的な
影響によって発症しているのです。
なので、２型糖尿病の場合は治らない病気と言われているものの、生活習慣を改めること
で、それ以上の悪化を遅らせることも可能で、しっかりコントロールできれば普通に生活
することも可能なのです。
糖尿病と診断されただけでもショックなのに、あちこちの文献を読むと更に怖くなるよう
なことがいろいろ書かれていて落ち込まれる人も多いかも知れませんが、よく考えてみて
下さい。現在は健康でも乱れた生活を繰り返していると、やがて生活習慣病になる可能性
は限りなく高くなります。それを予防するには生活習慣を改めることで、糖尿病と診断さ
れた人も同じことをするだけの話なのです。
要は、糖尿病を予防するか、悪化させないか、だけの違いで、実質的な違いはほとんどな
いということなのです。有難いことに、糖尿病と診断されるまで気が付かなった人がほと
んどであるように、糖尿病と知ったときから生活習慣を改めることで、何の障害も出ない
まま、むしろ他の病気の予防もしながらの生活ができるのです。
だからと言って、甘く見て何もしなかったりすると、すでにご存知のように、将来的には
失明や壊疽による足の切断、人工透析などのリスクがすぐ近くに迫ってくることになると
いうこともしっかり覚えておかなければなりません。
糖尿病の改善方法
糖尿病だから「糖分（甘いもの）」を控えればいいと考える人が多いですが、もちろんそ
れも大切ですが、実際に血糖値（血液中のブドウ糖）を上げるのは炭水化物です。つまり
毎日食べる主食である「ご飯」「パン」「麺類」などなのです。もちろんビールやワイン
なども、表示ラベルを見て「炭水化物」が含まれているものはすべてです。
だからと言って３大栄養素の炭水化物を完全に抜くことは不可能ですので、極力控えると
いうことで対応します。なかなか難しいと思いますが、最初は炭水化物（糖質）の吸収を
抑える働きがあると言われるサプリメントなどを利用するのも１つの方法です。ともかく
腹八分目というより腹七分目ぐらいを目標にしましょう。
そして、次は運動です。これは摂取したエネルギー（ブドウ糖）を消費するという考え方
もありますが、少しずつ筋肉量を増やすことで基礎代謝が上がります。実は、この基礎代
謝というのが大切で、エネルギー消費量全体の７割を占めるのです。しかも何もしていな
いときに、呼吸をしたり、体温を保ったり、内臓を動かしたりするのに必要な最低限度の
エネルギー消費量のことなのですから、寝ている間にもエネルギーを消費してくれること
になります。これってとても大切なところなんですよ。（笑）
糖尿病と診断されて狼狽えてここに到着されたあなたはラッキーです。とりあえずは腹七
分目と軽い運動（徒歩・階段・ストレッチ・ウオーキングなど）で、筋力を増やせること
に取り組むことから始めることです。その結果、体重が１割も減るころには、血糖値もあ
まり気にならないレベルに落ち着いているはずです。
実際、糖尿病を克服？した私が言うのですから間違いありません。