イヌリンと血糖値
外見は生姜、食感はレンコン、味覚はゴボウといった感じの菊芋（キクイモ）ですが、天
然のインスリンなどと呼ばれて、糖尿病を気にする人達の間で人気になっているようです。
菊芋に含まれる「イヌリン」という成分が、血糖値の急な上昇を抑える働きがあるという
ことなのですが、イヌリンは菊芋にしか含まれていないという訳でもありません。さまざ
まな野菜のなかで、トップクラスの含有率であるのが菊芋ということで、ゴボウやニンニ
ク、タマネギなどにも含まれています。
イメージとしては、摂取されたイヌリンが体内で水に溶けてゲル状になり、糖質を包みこ
むようにして消化・吸収を妨害する感じです。糖質が消化・吸収されなければ血糖値も上
がりようがありませんので、糖尿病や血糖値を気にする人達の間で注目されているのです。
当然のことながら、食事の前に摂取する必要がありますが、イヌリンは胃酸などにも強く、
腸に届くまで分解されることがないので、腸で善玉菌のエサになり、腸内環境の改善にも
貢献します。つまり、糖尿病だけではなく、いわゆる腸活という分野でも期待される成分
なのです。便秘予防・ダイエット効果、免疫機能の強化、抗酸化作用など、美容・健康に
関する要所はすべて腸内環境と密接に関係していますので、そういう意味では、まだまだ
イヌリンの知名度は低いと言えるかも知れません。
ただ、副作用というほどのものでもありませんが、一度にたくさん摂取することで下痢の
原因になったりすることがありますので、体質や体調に合わせて、上手に摂取することで、
世間の評判に違わない良い効果が期待できるはずです。
イヌリンの摂取法
イヌリンの主な健康効果は「糖や脂質の吸収抑制」と「腸内環境改善」ですが、どちらの
効果を期待するかで、その摂取のタイミングは少し違います。
糖質や脂質の吸収の抑制を期待したい場合は、食前に摂取するか、食事と一緒に摂取して、
糖質や脂質が小腸で吸収される前に水分を含むゲル状に変化させておく必要があります。
一方で、腸内環境の改善を期待したい場合は、空腹時や就寝前など、食後に摂取するとよ
り効果が期待できることになります。
いずれの場合も、毎日、菊芋だけを別に食べることでイヌリンを摂取するという方法はち
ょっと難しいですよね。もちろん特別に目的がなければ食事のときに菊芋を摂取すること
で問題ありませんが、血糖値を抑えたいという場合は、できれば食前に摂取しておきたい
ところです。
そのようなときに役に立つのがサプリメントです。化学的根拠に基づいた必要量を安全に
摂取できるという意味では最強です。できればそのような情報が消費者庁にも届けられて
いる機能性表示食品としてのサプリメントがおすすめです。
ただ、血糖値にしても腸内環境にしても、イヌリンの働きが感じられる何かを期待してし
まいますね。そんな人のために、私が経験した分りやすいイヌリンの効果を最後に書いて
おきますので参考にして下さい。
もともと健康という人にはあまり意味がないかも知れませんが、糖尿病の人や血糖値が高
めの人は、食後に眠くなりますよね。イヌリンを摂取し始めるとそれがなくなります。
次に、腸内環境の改善では、最初はおならがよく出ますが、やがて（数日で）落ち着いて
きます。あとは、トイレに行くたびにご自身で効果を実感されて下さい。
