1.隠れ糖尿病とは
言葉のとおり、糖尿病を意識した健康診断を受けない限り、
一般的な血液診断では見つかりにくいのが隠れ糖尿病です。
つまり、空腹時血糖値がほぼ正常であるために、空腹状態で受ける
健康診断では正常と判定されてしまうのです。
では、どのような状態が隠れ糖尿病なのかというと、食後の血糖値が
急上昇して、正常値を大きく超えてしまい、その後も高い値が持続する
ような症状をいいます。
これが、隠れ糖尿病が「食後高血糖」とも呼ばれる理由です。
このような状態になると、すでに立派な糖尿病予備軍なのですが、
空腹時には正常値に戻ってしまうために発見されにくいのです。
なので、若いからとか、太っていないからとか、健康診断は欠かさず
受けているからと安心しないで、たまには糖尿病のための検査を受けて
みることが、糖尿病予防、早期発見につながるのです。
2.隠れ糖尿病の判断基準
一般的に、食後の血糖値は上がるのが普通ですが、隠れ糖尿病の場合は
正常範囲を大きく超えて高くなり、本来なら約2時間で平常値に戻るものが
そのまま高い状態が続くことになります。
で、そのまま空腹時まで高い状態だと、糖尿病ということになるのですが、
空腹時には正常値に戻ってしまうのが、隠れ糖尿病の特徴なのです。
その原因は、加齢によるインスリンの分泌量や効力の減少のほか、
内臓脂肪の蓄積などが原因のインスリン抵抗性により、血糖値を正常に
下げるのに時間を要するためで、しかし、低速ながら確実に糖分を処理する
能力はまだある状態なので、空腹時までには正常値に戻ってしまうのです。
一般的には、食後血糖値は140mg/dl 、食後2時間が100mg/dl レベルですが、
食後血糖値が200mg/dl 以上、食後2時間が140mg/dl を超えているなら
隠れ糖尿病と考えられます。
3.隠れ糖尿病の対策
この状態は、もうすでに糖尿病であると判断する医師もいるほど、
きわめて糖尿病に近い糖尿病予備軍ということになります。
なので、その対策も糖尿病レベルということになるのです。
ただし、その一番の違いは、今ならまだ回復の余地があるということです。
糖尿病を発症してしまうと、しっかり血糖値をコントロールすれば
普通に生活できますが、生涯、血糖値との闘いになりますので、
同じ苦労をするなら、まだまだ回復余地のあるうちに頑張って完治させてしまう
ことで、後の人生に大きな違いが出てくるのです。
具体的には、普段の生活から糖分を控えること、
例えばコーヒーはブラック、ジュース類は飲まない、酒は焼酎や
ウイスキーといった具合に、まずは日常の生活から糖分を減らすことです。
次に、食事は炭水化物を控え目に摂ることを心がけます。
とりわけ、おにぎり、パスタ、ラーメンといった単品メニューは避け、
できるだけ、野菜⇒タンパク質⇒炭水化物というような食事メニューと、
食べる順番を取り入れるようにしましょう。
炭水化物はできるだけ後半に食べるようにすることで、血糖値の
急上昇を抑えることができるのです。
そして、お決まりの対策としての運動です。
時間がないからとか、雨が続いてとかいう口実は意味がありません。
本気で治したいなら、会社の階段、駅の階段等、歩けるところはどこでも
歩くという強い信念がなければ治せません。