1.糖尿病の薬とは
自分に合った薬を正しく使用しないと、副作用や危険性があり、
治療に対する効果は高いけれども、副作用の管理も必要とされる
種類の薬品を「医療用医薬品」といいます。
つまり、医療機関において、医師の診察を受け、処方される薬と
いうことになります。
糖尿病の薬も、医療用医薬品なので市販されていません。
とは言っても、最近ではインターネットで海外から買えるような
ものもありますが、低血糖リスクや未認可成分が含まれていたりと、
安全性を考えるなら、やはり医師の指導のもとに治療すべきです。
糖尿病の治療薬は、おおむね初期段階では経口薬(飲み薬)から
入ることが多くなっています。
なので、この時点で、自分に処方される薬の特徴を知って、その
治療法に合った生活をすることで、早期の改善が期待でき、重度の
糖尿病や合併症を回避できることにもなるのです。
2.糖尿病の薬の種類
血糖値を下げることが、糖尿病治療薬の目的なので、いずれの薬も
血糖値を下げる効果があります。
ただ、その作用の仕方が少し違う3つのタイプに分かれています。
・インスリンの分泌を促す薬
・インスリンの効果を高める薬
・糖の吸収と排出を調整する薬
の3タイプになります。
<インスリンの分泌を促す薬>としては、
アマリール、グリミクロン、オイグルコン、ダオニール、
スターシス、ファスティック、グルファスト、シュアポスト、
ジャヌビア、グラクティブ、エクア、ネシーナ、トラゼンタ、
テネリア、スイニー、オングリザなど
があります。
<インスリンの効果を高める薬>としては、
メトグルコ、グリコラン、ジベトス、アクトスなどがあります。
<糖の吸収、排出を調整する薬>としては、
グルコバイ、ベイスン、セイブル、
スーグラ、フォシーガ、ルセフィ、デベルザ、アプルウェイ、
カナグル、ジャディアンス
といったものがあります。
医療機関で自分に処方された薬が、どのような種類のものであるか
を知ることで、自身の糖尿病のおおよその治療の方向がわかります。
なので、その方向に沿った生活を心がけることで、早期に改善される
ことにもなるのです。
3.糖尿病治療薬の特徴
・インスリン分泌促進系の特徴
インスリン分泌を促進させて血糖値を下げる効果がありますが、
運動が不足すると太りやすくなったり、食事に注意していないと
低血糖を引き起こすリスクがあります。
・インスリン効果を高める薬は、
肝臓に作用して、ブドウ糖の過剰生成を抑えるので、臓器に障害の
ある人や、高齢者には向きません。
・糖の吸収と排出を調整する薬は、
食前に服用するのが、腸内で糖の分解を抑制し、吸収を遅らせる
タイプのもので、血糖値の上昇を抑える効果がありますが、
下痢など消化器系の副作用が出ることがあります。
SGLT2阻害薬系は、いわゆる過剰な糖を尿と一緒に排出することで
血糖値を下げるものですが、頻尿、多尿で脱水状態にならないように
注意が必要です。
以上のように、糖尿病治療薬といっても、その種類によって、
作用の仕方が違いますので、今、自分はどのような目的の治療を
受けているかを知って、その目的に合った生活を心がけるように
しましょう。