女性も糖尿病になる
アンケートをとると、女性は「糖尿病」にかかりにくいという結果が出ることが多いそう
ですが、それは糖尿病という病名がそうさせるのか、実際あまり関心がないからなのか、
その辺の理由はよく分かりませんが、女性の糖尿病患者も男性と同じほど多くいるのです。
若い頃には、ダイエットなど糖質には気をつけて生活している女性が多いので、もともと
男性より糖質には敏感な食生活していることもありますし、血管をしなやかに保ち、脂質
代謝などを高めて健康をサポートしてくれる女性ホルモンに守られているようなところも
あります。ところが女性ホルモンは更年期にさしかかると激減するので、血管や血液にか
かわる病気も急増する傾向にあります。
糖尿病もその1つで、エネルギー原であるブドウ糖を運ぶ血液中の量を調整するホルモン、
インスリンの働きが悪くなって血糖値が高くなる病気ですが、男性の患者数が増えるのが
40代と言われています。一方で、女性は閉経期を迎えると急増し、動脈硬化の進行が男
性より早く、合併症を引き起こすリスクも高いのが女性の糖尿病の特徴です。
つまり、女性ホルモンは、生活習慣病の原因となる「内臓脂肪」を溜まりにくくし、糖尿
病や動脈硬化などを抑える物質をしっかり放出するサポートをしている訳です。
なので、もともとそのようなシステムのない男性は、糖尿病になるのも、動脈硬化などの
合併症を引き起こすのも、自然の流れのなかで進行していくのですが、女性の場合は守ら
れていた砦が崩れると、一気に糖尿病から合併症へと加速していくことになるのです。
しかも、更年期のストレスやスタイルへの関心も若い頃に比べて重要度が後退することか
ら、やたら食欲に向かうことで、更に拍車をかけることになります。
太っていない人が危ない
若い頃から「肥満」気味の人は、ある程度は糖尿病にも関心を持って生きているので、そ
れなりの注意はしている人も多いのですが、痩せている人は、もともと糖尿病とは無縁だ
と思って生きてきた人が多いためか「体重に気をつけている」ということは糖尿病予防に
はならないということをあまり知りません。
古くは「肥満=糖尿病」という考えが主流でしたが、少し前には「内臓脂肪=糖尿病」と
いう考えが追加され、最近では「膵臓のβ細胞の力が弱い」人が糖尿病になりやすいとい
うことが知られてきています。つまり、まったく太っていなくても、誰でも「糖尿病」に
なる可能性があるということで、糖尿病など無縁だと思っている太っていない人の方が、
気付かないうちに糖尿病を悪化させやすいことになります。
なので、体重に関係なく、女性も40代からは「糖尿病」の予防をしておくことが賢明な
生き方ということになります。と言っても、糖尿病の予防は特別なことをする訳でもあり
ませんので、ぜひ実践して健康維持に役立てて下さい。
糖尿病を予防するには
糖尿病は「予防」も「治療」も、基本は「食事」と「運動」です。なので、誰でもその気
になれば、いつでも始めることができます。
40代から始める予防法としては、まずは食事を見直すことです。和食の会席料理のよう
に、野菜などから食べ始め、炭水化物は最後に食べるというだけでも、血糖値の上昇状態
はかなり違います。
そして、炭水化物はできるだけ色の濃い(白くない)ものを選ぶことで、食後の血糖値の
急上昇を防ぐことができます。
さらに、野菜、海藻、きのこ類などの食物繊維を摂ることで、糖質の吸収をゆるやかにす
ることになり、血糖値の上昇を抑えることができます。
逆に、炭水化物の「重ね食い」と言われる「ラーメン+チャーハン」などという食べ方は
一気に血糖値を上昇させてしまいますので、糖尿病を意識するなら避けるべきです。
運動は体には良いので普段からおすすめですが、特に食べ過ぎたときは軽い運動をして、
少しでもエネルギー消費を心がけましょう。
また、夜8時以降は食べ物は控え、空腹時間帯を作ることで、膵臓をはじめ内臓全体を休
めることで機能が改善されることにもなります。
どうして「血糖値の急上昇」にこだわるのかと言えば、血糖値が急上昇することでインス
リンが分泌されて、血液中のブドウ糖の量が調整されることになるので、その出番をなく
す(常にブドウ糖量を適正に保つ)ことが、糖尿病にならない秘訣なのです。
そして、糖尿病になっても、血液中のブドウ糖量を適正水準に保つことができれば、合併
症のリスクも低くなりますし、そもそも「血液中のブドウ糖の量が常に適正」である人が
「糖尿病」であるのかどうかということです。
最近は、血糖値対策の「お茶」もありますので、食事のときに飲むお茶を変えてみるとい
う簡単な方法でも「糖尿病予防」としては十分おすすめできます。