1.女性の糖尿病は約1割
一般的に、男性の糖尿病は、内臓脂肪の蓄積が原因でインスリンの
効果が薄れる、いわゆるメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)
が原因になっている場合が多く、しかも糖尿病になる確率も男性に多い
ことから、この内臓脂肪症候群を中心とした改善方法が多いようです。
甘いものが好きな女性ではなく、どちらかというと男性に糖尿病が多い
というのも内臓脂肪との関係から考えると容易に理解できます。
では、女性は糖尿病にならないのかというと、決してそうではありません。
ただ、女性の糖尿病は10人に1人という確率で、その原因も、
妊娠・出産・更年期といったホルモンバランスの乱れによるところが
大きいのです。
妊娠・出産による糖尿病の場合は、適切な処置をすれば、比較的軽くすむ
ことも多いですが、40~50代の、いわゆる更年期からは要注意です。
※女性の糖尿病は約1割は統計上の数字です⇒少ない理由
2.女性特有の初期症状を見逃すな
男性の場合は、リンゴ型といわれる内臓脂肪の蓄積具合で、外見からも
メタボ状態がよくわかり、自分でも比較的察知しやすいのですが、
それらしい自覚症状もなく、「喉が渇く」「トイレの回数が増える」
「食欲が増す」などという抽象的なことが初期症状と言われても、
なかなか気がつきにくいものです。
しかし、男性のメタボ体型と同じく、女性ならではの糖尿病の初期症状が
あるのです。
それは、デリケートゾーンの外陰部に強いかゆみが発生します。
清潔を保っていても「かゆみ」がとれない場合は、糖尿病を疑ってみる
のが、女性の糖尿病治療の第一歩と言えるかも知れません。
更に、「疲労感」「吹きでもの」というのも女性には多いので、これらの
症状が自覚されたときには、血液検査を受けてみることです。
3.糖尿病の進行度
一般的に高血糖が20年続くと、かなり危険な状態になります。
なので、糖尿病を自覚したら、全力で治療にあたることで、進行をおさえ、
合併症を予防することができます。
高血糖が5年ほど続くと、神経障害による手足のしびれ、痙攣などが起こる
ようになり、喉の渇きや、多尿、頻尿といった症状が現れやすくなります。
5~10年で、約半数が失明の原因になる眼底出血を発症します。
10年以上経過すると、腎臓に異常が生じ透析治療を必要とすることも
起こってきます。
もちろん、他の症状との合併で、心筋梗塞、脳梗塞といった、命にかかわる
ような重病のリスクもどんどん大きくなっていくのです。
よく糖尿病になると、尿が泡立つと言われていたりしますが、
これは、腎臓の糸球体という細かな血管が尿をろ過していますが、糖の混ざった
ドロドロの血液が流れることで傷がつき、タンパク質も一緒に出てしまう結果、
消えにくい細かい泡となるのです。
なので、細かい泡は、もちろん糖尿病であることも多いですが、それとは別に
腎臓の病気ととらえ、糖尿病はむしろ、その独特の甘いニオイの方に注意を払う
べきなのです。