肩こりの原因とは
肩こりは、重い頭を支え、長時間同じ姿勢で緊張した時間を過ごすと筋肉が疲
れて疲労物質がたまることで硬くなり、それが血液の循環を悪くしたり、末梢
神経を傷つけたりすることで痛みを生じる現象と言われています。
確かに肩こりはそのような原因で起きるのですが、実はその原因以前に貧血や
低血圧が肩こりの原因になっていることが多いのです。これは女性に肩こりが
多く、女性の約２割が貧血や低血圧であるということと無関係ではありません。
つまり、貧血になると体に酸素を運ぶ量が低下し、酸欠状態で筋肉を使い続け
ていると、筋肉はすぐに疲れてしまいます。なので、重い頭を支えているとか
パソコンの長時間作業とかいうのが直接の原因であっても、それを支える筋肉
が疲労するまでの時間に大きな差が出てきます。
ところが、当の本人はそのことに気付いていないことが多く、肩の筋肉をほぐ
すような体操をしたり、肩を温めたりしてみても、一時的には改善された気持
ちになりますが、すぐにまた肩がこるということになってしまいます。
肩の筋肉の疲労が肩こりの原因であっても、その疲労する原因が長時間のパソ
コン作業というより、血流不足による酸素や栄養不足、疲労物質の排除能力が
低下しているということなのです。
なので、同じような仕事をしていても、他の人より自分は疲れるのが早いとか
なかなか回復しないという人は、肩こりを解消する方法より貧血を改善するこ
とを考えた方が良い場合が少なくありません。
特に、ダイエット中であるとか、めまい、立ちくらみ、頭痛、動悸、集中力の
低下などの症状がある人は、貧血である確率が非常に高いので、そちらを先に
改善しなければ、いくら肩の体操をしてみても他の人についていけません。
鉄欠乏性貧血を改善する
貧血にもいろいろな種類がありますが、一般的で最も多いのが鉄欠乏性貧血と
言われるものです。赤血球の中で酸素を取り込むヘモグロビンが不足し、体内
に十分な酸素を行き渡らせることができなくなった状態です。
女性は毎月生理で血液を失い、ダイエットなどで食事が偏り、何もしなければ
自然に鉄不足になる状況にあります。また、意識して鉄の補給に努めても、そ
もそも鉄は吸収されにくく、しっかり頑張っても６ヶ月くらいは回復しないも
のなのです。
鉄を含む食品としては、レバー、肉、魚などの動物性食品に多く含まれていま
すが、その吸収率は１割程度とかなり少なくなります。また大豆やヒジキなど
植物性食品にも含まれていますが、こちらは数パーセントの吸収率と言われて
いますので、食品に含まれる量の１０～２０倍くらい摂取しないと十分補給で
きないことになるんですね。
その吸収率を上げるには、タンパク質やビタミンＣと一緒に摂取したり、ビタ
ミンＢ群や葉酸も摂取すると良いとされています。
一方で、鉄の吸収率を下げるものにコーヒーや緑茶、紅茶に含まれるタンニン、
ダイエットには効果的と言われる食物繊維がありますので、ダイエットはまさ
に貧血の敵ということになりますね。
もっとも貧血に特化したサプリメントなども多数出ていますので、ある程度の
回復基調に乗るまでは、そのようなものを利用する方が良い結果が出ます。
薬品系に抵抗がある人には、鉄分補給のためにあるような天然のジュースもあ
りますので、そちらがおすすめです。多少クセのある味ですが、私でも飲める
ほど少量で済ませることができますので、お風呂あがりにグイっと３０ｃｃ飲
むだけのサジージュースを推奨します。
貧血は、肩こりに限らず、冷え性や肌荒れなどの隠れた原因にもなっています
ので、できるだけ早く改善することが健康へのパスポートです。
