若い女性と骨密度
骨がスカスカになる骨粗しょう症は高齢者の病気として定着していますが、若い女性(2
0歳前後)でも6人に1人の割合で、骨粗しょう症リスクを抱えていると言われています。
骨粗しょう症とは、骨密度が低下することで痛みや骨折を引き起こす病気ですが、その主
な原因が加齢による女性ホルモン(エストロゲン)の減少とされていることから、骨粗し
ょう症は更年期以降の女性に多いということになっています。
しかし、骨量が低下する原因はそれだけではなく、運動不足、喫煙、アルコールの過剰摂
取、ストレス、食生活・生活習慣の乱れなども含まれていて、若いからといって安心とい
うものでもありません。実際に症状として現れるのは少し先の話かも知れませんが、すで
に骨粗しょう症になる危険性の高い状態(骨粗しょう症予備群)である人も多いのです。
若い女性の骨密度が低下する原因は、ダイエットや偏食による栄養不足、不規則な生活や
ストレス、睡眠不足などの生活習慣、菓子類やインスタント食品、ファストフードを好み、
野菜や魚介類・海藻類が苦手といったあたりに有り、いわゆる「細い=美」と考えている
人に多い傾向があります。
では、どうして骨密度が低下するのかと言えば、一般的に骨は体を支え、臓器を保護する
ものと考えられています。もちろんそれも大切な役目ですが、それ以外にもカルシウムを
蓄えて、体の機能に影響する血液や細胞内のカルシウムが不足した場合、骨から取り出し
て補うことで、カルシウムの量を一定に保っているのです。
そして、その骨もリモデリング(新陳代謝)により、元の強度を持つ骨に生まれ変わって
いくことで、骨本来の働きを続けて行くことができるのですが、このときにさまざまな原
因で骨形成に必要な栄養素や成分が不足すると、骨量が減ってしまうことになるのです。
骨量のピークは20歳前後と言われていて、加齢とともに減少していきますが、このピー
ク時の骨量が多いほど骨粗しょう症になりにくいとも言われています。つまり、将来的な
骨粗しょう症予防のためには、若い頃の骨の蓄えが大切なのですが、残念なことに、過剰
なダイエットや偏食により、骨の老化を助長するような行動をしている人が多いのです。
骨粗しょう症の予防
骨と言えばカルシウム不足というのが定番で、カルシウムは、小魚や海藻類、緑黄色野菜、
大豆などに多く含まれていますが、実はそれだけではありません。カルシウムの吸収を助
けるビタミンD、更年期からは女性ホルモンの働きと似た作用を持つエクオール、そして
骨への刺激を与える運動なども必要です。
また、同じく骨に必要な成分としてコラーゲンやビタミンK、マグネシウム、亜鉛なども
かかわっていますが、コラーゲンを摂取しても、それがそのままコラーゲンになる訳でも
ありませんので、骨密度を増やすためには、どちらかと言うといろいろな食品をバランス
良く摂取するということが大切です。
そして、カルシウムの吸収を妨げると言われる糖分、インスタント食品、タバコやビタミ
ンDの働きを抑制するアルコールなどは控えることです。特に添加物としてリンを多く含
むインスタント食品や加工食品、スナック菓子などは注意しなければなりません。
若い世代で、なかなか生活スタイルを変えにくいという人でも、骨に必要な栄養素をしっ
かり配合したサプリメントなどで骨の備蓄を考えることが、将来の骨粗しょう症を回避す
るきっかけになりますので、骨について思い当たるところのある人は、現在の年齢に関係
なく、今日からさっそく始めてみて下さい。
|