「うつ病」と「憂うつ」の違い
人間関係で問題があったり、仕事がうまく行かなかったり、失敗したりすることが原因で
気分が落ち込んでしまうことは誰にでもありますが、原因が解消されたり、気分転換をし
たりして、ある程度の時間が経過すると、憂うつな気分はやがて回復するものです。
しかし、原因が解決しても気分が回復しなかったり、原因そのものに思い当たるものがな
いのに気分が落ち込んだりすることがあり、日常生活に支障をきたすような状態をうつ病
と言います。
うつ病が起きるメカニズムはまだ解明されていませんが、感情や意欲は脳と関係していま
すので、脳の働きに何らかのトラブルが生じていることはほぼ間違いありません。
具体的には、脳の神経伝達物質であるセロトニンやノルアドレナリン、ドーバミンのバラ
ンスが乱れているようなことが考えられますが、それにストレスや性格などの要因も加わ
ったときに、うつ病が起きると考えられています。
ストレスや性格というのも分かりにくいものですが、一般的に生真面目、完璧主義、凝り
性、思慮深い、自戒心が強い性格の人がストレスを受けやすく、ストレスも失敗や不幸な
どのマイナス面だけではなく、結婚や昇進、栄転、引っ越しなど、本来は喜ばしいことで
もストレスになってしまうことがあります。
うつ病の精神的な症状としては「意欲の低下」「不安・焦り・イライラ感」「口数が少な
くなる」「外見や服装を気にしなくなる」「集中力に欠けミスが増える」といったことが
見られます。身体的な症状としては「頭痛・耳鳴り」「動悸」「睡眠障害」「味覚障害」
「食欲不振・過食」「胃痛・腹痛」「肩こり・腰痛」「下痢・便秘」「性欲減退」「生理
不順」などがあります。
うつ病というと、精神的な症状がメインで取り上げられますが、倦怠感や体のしびれや痛
みなど、うつ病と関係なさそうな症状が目立って出ることもあります。
うつ病予防と初期症状の改善法
うつ病治療の基本は「休養」「環境改善」「精神療法」「薬物療法」になります。もうハ
ッキリとうつ症状が出ている場合は、この４つを開始することになりますが、まだうつ病
というほどでもないけれど、自分の性格からしてリスクを回避したい場合は、薬物療法以
外の方法が役に立ちます。
まずは、十分な休養をとって心身を休ませることです。生真面目さ責任感の強さが頑張ら
せ続けさせるために疲れてしまったのですから、うつ病になってしまったら、もっと長く
休まなければならないと自分を説得して、仕事環境や家庭環境を調整するようにします。
うつ病の症状に「睡眠障害」「食欲不振」を訴える人が多いですが、逆に言えば、規則正
しい十分な睡眠とバランスのとれた食事は、うつ病対策には欠かせないということです。
これは簡単なようで、やってみると案外難しいですよね。そこで、睡眠と食欲を増進する
手軽な方法としてウォーキングやサイクリングなどの軽い有酸素運動がおすすめです。
気分転換にもなりますので、ストレスの解消にも役に立ちますし、適度な疲労感は食欲と
睡眠を促進します。
このように十分な休息をとりながら、自分の性格や考え方を再確認したり、毎日の生活の
リズムを見直して規則正しいものに整えたり、ストレスの解消法を身につけたりしながら、
自身の性格や生活環境を変えていくことです。
また、脳の栄養成分として評価の高いサプリメント
もありますので、試してみるのも良い
感触を得るきっかけになるかも知れません。
