１．自律神経失調症とは
何となく体調が悪く、病院へ言ったら自律神経失調症と診断されることがよくあります。
自律神経（交感神経と副交感神経）のバランスが乱れることが原因で起きる症状という意
味なのですが、実際に自律神経の乱れを調べる方法はありませんし、その症状も、いろい
ろな病気で見られるようなありふれたものであることが多いのです。
検査をして、その症状が現れる病気が見つかれば病名がつけられますが、特に異常が見つ
からないような場合に自律神経失調症となるのです。なので、自律神経失調症は病名では
なく診断書などに書かれる診断名で、内容的には軽症のうつ病や神経症的なものです。
自律神経失調症と診断される症状で多いのは、体がだるい、眠れないといった全身的なも
のや、頭痛、動悸、息切れなどの部分的なもの、情緒不安定、いらいら、不安感などの精
神的なものですが、検査を行なっても、これらの症状にかかわる医学的な異常所見や精神
的な疾患もないようなときに自律神経失調症と診断されるのです。
とは言っても、実際にさまざまな症状が起きる背景がありますので、そこを調べてみると
ストレスや生活習慣の乱れ、ホルモンバランスの乱れといったことが多いため、自律神経
失調症を改善する方法としてもその辺の改善を目指すことになるのです。
簡単に言えば、どこにも異常がないのだから、生命にかかわるような病気でも症状でもな
いということですが、自律神経というのは、私たちの意識していないところで、呼吸・心
拍・消化・免疫などの生命活動を支配するところで働いているため、その活動が乱れると
必要以上に不安感を覚え、その不安がさらに自律神経を乱す原因にもなってしまうのです。
２．自律神経の改善方法
自律神経失調症の見本的な症状が更年期症状です。女性ホルモンが減少することで自律神
経が乱れて起こる症状と言われていますが、症状としてはかなり厳しいものになる人もい
ますが、更年期症状で死ぬ人はいないとも言わるように、更年期症状（自律神経の乱れ）
そのものが原因で死ぬことはありません。
ほとんどの場合、日常生活では見ることも触ることもできないところで、何かが乱れてい
ると思う不安によるものですが、それが生命活動に関係する場所であることが多いことか
ら、より大きな不安になるのです。
なので、まずは自律神経失調症で死ぬことはないと自分に暗示をかけることから始め、で
きるだけ考えないようにすることです。もちろん、生活習慣が乱れている人や、ストレス
の多い生活をしている人は、その辺も改める必要があります。
実際に現れている症状は和らげることも必要で、痛みがあれば鎮痛剤、眠れなければ睡眠
薬といったものが処方されると思いますが、動悸や息切れといった精神的に不安な症状に
は漢方薬なども治療薬として使われることがあります。
ストレスやホルモンバランスの乱れも、抗うつ薬や抗不安薬、ホルモン剤を使用すること
で効果が見られることもありますが、そのようなものに頼らなくても良いレベルなら、で
きるだけ気分転換や趣味、スポーツなどを通して、自然な回復を目指しましょう。
自律神経失調症と診断されたら、病気ではないと考え、まずは規則正しい食事・睡眠を基
本に、適度な運動、交友関係を広げて活動範囲を広げるなど、できるだけ健康的な生活を
することです。
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