１．コレステロールと動脈硬化

日本では、ときどき症状名が独り歩きして、正式病名が置き去りに
されていることがあります。
 
ぎっくり腰や盲腸などいろいろありますが、血液中に余分な脂質が
多くなる脂質異常症もそんな１つです。
 
病院の待合室で聞かれるのも、コレステロールが高い、低いといっ
た表現で、それが脂質異常症というものであることを意外に知らな
い人も多いのです。
 
　　　　　
 
確かに、コレステロールも脂質の１つですが、血液中には中性脂肪
も含まれており、ＬＤＬコレステロール、ＨＤＬコレステロール、
中性脂肪のどれか１つでも数値に異常が認められると脂質異常症と
いう診断になるのです。
 
コレステロールは、細胞膜や胆汁酸の材料になったり、ビタミンの
代謝にも関係する重要な役割を果たすのですが、その多くは肝臓で
作られ、血液を通して全身に運ばれます。
 
ところが、脂質と血液は混ざりにくい性質なので、血液になじみや
すいタンパク質に包まれて移動することになります。
 
このタンパク質の名称がＬＤＬ、ＨＤＬと言われるもので、低比重
リポたんぱく（ＬＤＬ）は肝臓からコレステロールを運び出し、高
比重リポたんぱく（ＨＤＬ）は全身の細胞から余分なコレステロー
ルを回収する働きをしています。
 
　　　　
 
どちらも大切な働きに違いないのですが、コレステロールが多くな
ると動脈硬化の原因になるということで、コレステロールを運び出
すタンパク質（ＬＤＬ）を悪玉、それを回収するタンパク質（ＨＤ
Ｌ）を善玉と呼んでいるのですが、この辺のところはいかにも学者
バカとも言える命名の仕方ですが、とりあえず日本ではそのように
呼ばれることになっています。
 
そして、もう１つの中性脂肪は、皮下脂肪となり予備のエネルギー
源として蓄えられ、肥満の原因になります。皮下脂肪は、直接には
特に問題ないのですが、増えすぎると間接的にＬＤＬコレステロー
ルを増加させることにもなりますので、やはり適当にコントロール
することは必要です。
 

２．脂質異常症が問題になる理由

血液中のコレステロールが増えすぎると、血管の壁に入り込みプラ
ークを作ります。このプラークが血管を狭くして血流を妨げたり、
血管の老化をもたらすことになるのですが、このような状態になっ
た血管を動脈硬化と呼び、その結果、脳梗塞、脳出血、心筋梗塞、
狭心症といった後遺症が残ったり、死に直結する重病につながるリ
スクが高くなるのです。
 
いわゆる生活習慣病と言われる、脂質異常症、糖尿病、高血圧症は
いずれもサイレントキラーと言われる別名があります。
 
　　
 
これは、特に自覚症状がないといった共通の特徴があり、健康診断
などの結果によってしか知ることは出来ませんし、少しぐらい異常
が発見されても、だからといって何か症状が出るというものでもな
いところが一番の問題なのです。
 
しかも、その改善方法というのも、食事の見直しや運動といった抽
象的なことばかりで、結局放置状態から、やがてどんどん進行して、
重篤な病気に襲われるということになるケースが多いのです。
 
なので、今現在、すでに健康診断の結果で、脂質異常症のサインが
出ている人は、強い意志で生活環境を改善できる人を除いて、サプ
リメントなどを使うという方法がおすすめです。
 
　　　　
 
脂質異常症の予防に役に立つと言われているのが納豆で、その納豆
の成分である納豆キナーゼだけで作ったサプリメントがおすすめで
す。
 
日本人の死亡原因の第２位、心疾患・脳血管疾患の原因
は血管の病気という現実をしっかり見つめて、早期の対
策で自分自身の未来を守りましょう。