白髪の原因とは
最近では白髪についてもさまざまなところで解説されていますので、髪はもともと白いも
のであるというようなことを知っている人も多くなりました。つまり、黒い髪が少しずつ
白くなっていくのではなく、本来、白い髪が色素で着色されて生えてくるということです。
この髪の毛を着色する色素細胞のことをメラノサイト（メラニン細胞）と言い、メラニン
という色素を生成する細胞になります。そして、その機能は加齢とともに低下して、数も
減少していきます。これが白髪が増えてくる原因になります。
メラノサイトの機能低下は３５歳ごろから始まると言われていますが、もちろん個人差は
ありますし、ストレスや食事、睡眠、紫外線なども関係しています。
これらを他の表現に置き換えれば、ストレスは過酸化脂質を増やしたり、頭皮の血流を悪
くしたりします。食事はメラニン色素を作り出すための栄養素を供給する手段です。睡眠
時は成長ホルモンの分泌が最も多く、白髪というより髪の毛の成長にも欠かせないもので
すし、色素細胞の分裂も促進して死滅した色素細胞を補う働きもしているのです。
紫外線は主に頭頂部に当たるため、頭頂部に活性酸素が発生しやすくなり、皮脂を酸化さ
せたり毛根にダメージを与えたりすることで、頭頂部の白髪が増えることもありますが、
紫外線の毛髪への影響は、同じ髪の悩みでも白髪というより薄毛に影響することの方が多
いかも知れません。
また、女性に多い白髪染めやパーマなども活性酸素を増やす原因になり、メラニンを作る
酵素（チロシナーゼ）を破壊してしまうことになりますので白髪を増やすことになります。
そして、白髪以上にショックを受けるのが、ひげや鼻毛、眉毛、陰毛などに白髪を発見し
たときかも知れませんが、体に生える毛ならどこでも同じ仕組みですので、髪に白髪が増
えてきたら、あちこちに白いものが出てきても特に不思議なことではありません。
白髪の対処と予防
白髪が増えてきたと感じたら、まずは生活習慣を改めることです。年齢的なものは仕方な
いとしても、その分、何かで調整するということになります。ストレスを減らす、運動を
して血流を良くする、タバコを止める、栄養バランスの良い食事を心掛ける、質の良い睡
眠をとるなど、一般的に体に良いと言われていることを本気で実践することです。
ただ、メラノサイトやチロシナーゼをサポートする栄養素と言われても、なかなか十分な
栄養を摂取するのが難しいと思いますので、その場合はサプリメントなどで補うのが効果
的な方法としておすすめできます。
特に、魚介類、海藻類、豆類、チーズ、果物などが総合的に不足している人は、サプリメ
ントで補う必要があります。
そして、白髪が目立つのが嫌いな人はすぐに染めたくなりますが、もうすでによく知られ
ているように、白髪染めは髪や頭皮に良いものではありませんので、当然白髪改善にも良
いとは言えませんが、どうしても染めたいという場合は、できるだけ刺激が少なく、染ま
りにくいものを選びましょう。一度染めると長持ちするタイプのものは、それだけ髪や頭
皮に負担が大きいので、染まりにくい（すぐに色が落ちる）タイプの方が安全ということ
になります。
また銀塩の光還元作用で「光で染まる白髪染め」タイプは、髪や頭皮には優しいかも知れ
ませんが、その後にパーマ液やカラーを使うと、化学反応で髪が緑色になってしまいます
ので注意が必要です。
