全身老化と肝臓の関係
肝臓と言えば「沈黙の臓器」とか「体内で最大の臓器」といったことは広く知られていま
すが、肝臓の機能については実際のところはほとんど知らない人の方が多いと思います。
しかし、肝臓の機能の低下が全身の老化と関係しているとなると、もっと肝臓のことを知
りたいと思いませんか？
肝臓とは、文字通り「私たちの生命活動の肝」で、サイズも大きく多機能な臓器ですが、
その分、活性酸素の影響を受けやすい臓器でもあるのです。つまり、肝臓の酸化が進むこ
とで全身の老化も進むことになるのです。ところが、ご存知のように、肝臓は沈黙の臓器
なので、そのダメージにも忍耐強くなかなか表面化しませんが、それは静かに体の老化が
進行しているということでもあるのです。
なので、いつまでも若々しく健康でありたいと思うなら、年齢・性別に関係なく、まずは
活性酸素から肝臓を守ることが大切なのです。
肝臓にはどうして活性酸素が発生しやすいのかと言うと、肝臓が処理する血液の量は１日
あたり２０００リットル以上と言われています。この大量の血液がただ素通りしているの
ではなく、数千億個とも言われる肝細胞が生命維持に必要な成分を集めたり、代謝したり、
解毒したりしているのです。ところが、その作業では大量の酸素も消費されているため、
活性酸素も多く発生してしまいます。
もちろん、活性酸素は悪いことばかりではなく、体内に侵入したウイルスや細菌を撃退す
るという働きもありますが、必要以上に増えると、美容や健康分野でよく言われているよ
うに体の老化の原因になってしまうのです。
もちろん、この活性酸素を無害化してしまう酵素（ＳＯＤ）が私たちの体にも備わってい
て、肝臓の酸化を防いでいるのですが、４０歳頃から減少してしまいます。つまり、老化
の始まりです。ただ、これは一般的な場合で、肝臓を酷使して機能が低下しているような
人は、もっと若い年代でも老化が進行していることも少なくありません。
さらに、食べ過ぎや飲みすぎ、運動不足などで肝臓に溜まった脂肪が酸化されると、有害
な過酸化脂質に変化し、肝機能は一層低下します。そしてそのまま放置すると、やがて肝
臓も全身も危険な状態になってしまいます。
活性酸素から肝臓を守るには
肝臓は沈黙の臓器なので、私たちが肝臓の状態を知る努力をしなければなりません。それ
は日常のちょっとした不調にも現れてきます。例えば、朝から疲れが残っているような状
態だったり、食欲さえわかないといった症状が見られるようなら、それはすでに肝臓が弱
っていると考えるべきで、肝臓を守るためのケアをしなければなりません。
まずは、暴飲暴食を避け、栄養のバランスを考えた抗酸化成分を含む食事内容に変える努
力をしましょう。抗酸化と言えばもう有名ですのでご存知の人も多いと思いますが、植物
に含まれるポリフェノール、野菜や果物に含まれるビタミンＡ・Ｃ・Ｅなどになります。
と言っても、栄養士でもなければ、毎日の食事で摂取するのはなかなか難しいと思います
ので、天然の成分を使用したサプリメントなどを集中的に利用するのが賢明でしょう。
そして、肝臓を休めるためには十分な睡眠と、血流を良くするために適度な運動も必要で
すので、暴飲暴食を控えることと一緒に覚えておきましょう。
肝臓で発生した活性化酸素の害は、肝臓だけではなく一気に全身に及び、老化を進行させ
る原因になりますので、いつまでも若々しく、健康でいたいと思うなら、肝臓の老化を防
ぐ努力を若いうちから心掛けることです。