薄毛の前兆を知る
３０代になるまでは、髪が抜けてもそれほど気にする人はいないのですが、３０代も後半
にさしかかると、朝起きた時に枕についた抜け毛の数の多さや、洗髪後のタオルについた
抜け毛を見るたびに、それはやがて悩みへと進化していきます。
ただ、このレベルなら、まだ自然に回復するケースの方が多いのでそれほど大きな問題に
もならないのですが、全体的に髪が弱々しく感じられるようになると、その時はすぐに薄
毛対策や育毛を考えなければなりません。
禿というと、一般的には髪の毛が無くなってツルツルと思われているかも知れませんし、
実際、他人の目にはそのように見えています。しかし、他から見れば禿げているように見
えても、本人はまだまだ髪の毛があるという感覚なのです。
つまり、禿げて見えるのは、髪の毛が無くなるのではなく、１本１本が細くなり、頭皮が
透けて見えるようになった状態ということです。なので、本人は案外「自分は禿げている」
と思っていない場合が多いのですが、他人の目にはハッキリと禿げているのです。
それは、自分でも禿を自覚するようになると、すでに手遅れ状態で、もっと以前から薄毛
対策を始めなければ、もう思うように回復することが困難な状態ということです。
では、何をもって薄毛と判断するかということですが、それは自分の髪が弱々しくなった
と感じたときです。全体的に見た感じではなく、髪が切れやすくなったとか、抜けた毛が
細く、色も淡くなってきたと感じたときです。
日本人の成人の平均的な頭髪は約１０万本で、１本の太さは0.08ミリと言われています。
もし、１０％細くなったとしたら、それだけで８００本もの髪が無くなったのと同じほど
の隙間が頭部にできることになるのです。特に髪の毛が短い頭頂部から後頭部にかけては
その隙間が他人にはとてもよく見えるのですが、本人は最も気付きにくい場所でもあり、
親しい友人に会ったときに指摘されるとか、何らかの機会に自分の後ろ姿を見ることがあ
ったときに愕然とすることになるというのが、ごく一般的な薄毛に気付くパターンです。
つまり、自分が薄毛だと気づいたときには、もうあなたの周囲の人のほとんどは、あなた
の禿を知っているということなのです。
薄毛対策の基本とは
薄毛対策というと、すぐに頭皮の問題が取り上げられたり、シャンプーの問題が取り上げ
られたりしますが、それ以前にもっとやらなければならないことがあります。
それは、日常生活の見直しです。もちろん遺伝的な要素もありますが、それ以上に薄毛に
関係しているのは日常生活なのです。例えば、インスタント食品や加工食品ばかり食べて
いる人、仕事や私生活でストレスが溜まっている人、睡眠不足や睡眠時間の不規則な人、
タバコやアルコールを過剰に摂取する人、紫外線に当たり過ぎる人、頭皮を無意識に掻く
癖のある人、整髪料を使い過ぎている人など、意外に本人が気づいていないところに薄毛
の原因が潜んでいるのです。
思い当たるところのある人は、まずその点を改めることから始める必要があります。特に
食事は体を作る基本ですので、食べたり食べなかったり、好きなものしか食べなかったり、
手軽で簡単に食べられるものばかりを好む人は、早い時期から薄毛の悩みがある人が多い
と言われています。また、栄養素的には「タンパク質」「ミネラル」「ビタミンＢ群」を
摂取するように心掛け、ミネラルの中でも亜鉛、ビタミンＢ群のなかでも「ビタミンＢ２」
「ビタミンＢ６｝が不足しないようにすることです。
次に、何かに「嫌だ嫌だ」と思えるようなストレスを感じた人の大半が、その後に毛が抜
けるという悩みを持つと言われています。それは強度のストレスにより自律神経が乱れた
ことが関係していますが、それが慢性化するようではいくら高価な育毛剤を使っても意味
がありません。
睡眠不足も生活のリズムが乱れ、疲れが取れなかったり、当然のことですが髪の毛にも良
い影響を与えることはありません。
その他、紫外線は女性に限らず男性も注意する必要がありますし、過剰なタバコやアルコ
ールも言うに及ばずです。また、むやみに頭を掻く癖のある人や整髪料を多用する人も自
主的に見直す必要があります。
そして、もう薄くなっている時点で気付いたようなときは、その薄くなったことがストレ
スになって、更に悪化することもありますので、そのような場合はくよくよ考えずに薄毛
隠しパウダーなどを使ってみましょう。その方が心理的にも良い結果が出るようです。
最後は「育毛剤」ですが、これまで書いてきた生活習慣上の問題を見直しながらの同時進
行でやることです。いくら頭皮や髪を育てる高価な商品を使っても、それを受け入れる基
本ができていなければ、ほとんど効果は期待できません。
