１．血行不良と血行障害
血液の話になると、血行不良・血行障害・血流障害といった表現が、ほぼ同じような意味
で使われていますが、実際はどのようなことを示しているのでしょうか。
血行とは「身体に血がめぐること」を意味し、血流とは「血液が血管を流れること」と定
義されています。つまり、血行不良と血行障害は「血液のめぐりが悪くなっている状態」
のことで、血流障害は「血管内を血液がうまく流れない状態」ということになります。
すると、血行不良と血行障害はどう違うのかと疑問に思われると思いますが、血行不良と
は「血液そのものがドロドロになるなどで体内へのめぐりが悪くなっていること」で、血
行障害は「血管の一部が狭くなったり閉塞することで体内へのめぐりが悪くなること」で
す。では、血流障害とはどのようなものなのかと考えてしまいますが、こちらは一部で血
行不良とも重なりますが、血圧の異常、脂質異常症・糖尿病（血液ドロドロ）、喫煙など
による血管の収縮、血液の流れにくい体勢を長く続ける、心機能の低下などにより血液の
流れが悪くなることを言います。
このように、言葉による細かい違いはありますが、血流障害が起きれば、血液のめぐりも
悪くなりますので、結果として、血行不良・血行障害・血流障害は同じような意味になり
ます。現れる症状としては「肩こり」「関節痛」「冷え」「むくみ」などがよく知られて
いますが、「閉塞性動脈硬化症」「狭心症」「心筋梗塞」「脳梗塞」「潰瘍・壊死」とい
った怖い病気も血行障害によるものになります。
２．血行障害の予防と対策
血行障害が起こる原因は、運動不足や体の冷えなど生活習慣上の問題である場合と、動脈
硬化などの病気が進んでいる場合があります。いずれの場合にも、まずは、規則正しい生
活（睡眠・食事内容・適度な運動・ストレス解消など）に改めることです。
動脈硬化が起きている場合は、患者の状態を見て、医師が薬物を使って治療することもあ
りますが、肩こりや冷え、むくみなどが気になるレベルなら、生活習慣の改善によってか
なりの効果が期待できますし、医療機関で診察を受けた場合でも、まずは生活習慣の見直
しを指導されますので、どちらにしても血行障害・血行不良・血流障害などを指摘された
場合は「生活習慣を見直してみる」ことです。
そして、どこも悪くなくても、体を冷やすと血流が悪くなりますので、血行不良になるこ
とがあります。特に暑い夏の日に過剰な冷房環境下で仕事をしている人は、衣類などを工
夫して体温を保つようにする注意が必要です。
どを利用してみると良いかも知れません。サプリメントなどではなく、医薬品として認可
されていますので、それなりの効果も期待できます。
手足に「しびれ」や「痛み」の症状があるようなら、すでに血行障害が起きている可能性
が高いですので、循環器内科や血管外科などがある病院で検査を受けるようにして下さい。
特にそのような症状がなくても、基本的には年１度くらいは血液検査などを受けることが
望ましいとされています。
