エコノミークラス症候群(肺塞栓症)の初期症状と対処方法

エコノミークラス症候群(肺塞栓症)の初期症状と対処方法

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1.エコノミー症候群とは

同じ姿勢を長時間続けることで発症するというエコノミークラス症候群の話を聞いたこと
があると思います。飛行機のエコノミークラスの狭い席に座ったままで、長時間移動する
ことで発症しやすいというのがこの名前の由来ですが、特に飛行機に限った訳でもなく、
車中や災害による避難所生活などでも起こります。

エコノミークラス症候群とは、「深部静脈血栓症」と「肺塞栓症」が合わさって起こる症
状です。深部静脈血栓症とは、大腿静脈など体の深部にある静脈の血行が悪くなることで
血栓(血のかたまり)ができる病気で、肺塞栓症とは血栓が肺の動脈に詰まってしまう状
態のことを言います。

つまり、狭い場所で長時間同じ姿勢を続けていると、体の深部静脈の血行が悪くなり、で
きた血栓が肺の動脈に詰まって塞いでしまうことで、酸素の供給に障害が出る状態のこと
をエコノミークラス症候群と言うのです。

             

初期には、足がむくんだり、しびれたり、痛みを感じます。これは血行が悪くなっている
というサインです。そのまま放置すると、足の血管に血液がたまり始め、やがて膝の裏側
や太ももの奥にある静脈に血栓ができるようになります。その血栓が、急激な動作などで
肺の動脈に詰まってしまうと、息が苦しくなり、胸の痛みを感じ、ときには冷や汗が出た
り、意識を失ってしまうこともあります。

一般的に、狭いところに座ったままで足を動かさない状態が6時間以上続くと、エコノミ
ークラス症候群が発症しやすくなり、10時間に達すると重症化しやすくなると言われて
います。また、症状はすぐに発症する人もいますが、翌日以降に発症することも珍しくあ
りませんので、長時間にわたって足を動かさない状況が続いた場合は、その後、数日間は
注意が必要です。

2.重症化で死亡のリスク

エコノミークラス症候群が重症化する人には共通の危険因子があるとされていて、肥満、
高齢、血栓性素因のある人は、とりあえずはいつでも注意しておく必要があります。特に
生活習慣病を指摘されている人は、高血圧・高血糖・脂質異常のいずれも血液ドロドロと
いう状態ですので、よりハイリスクということになります。その他、悪性疾患や重症感染
症、呼吸系・心臓系などの既往症がある人も十分な注意が必要です。条件が重なれば、エ
コノミークラス症候群も重症化し、全体の約1割の人に死亡リスクが生じると言われてい
ます。

             

エコノミークラス症候群を予防するには、飛行機や車中、避難所など、エコノミークラス
症候群が発症しやすい状況では、水分補給(お茶やコーヒー、酒類など利尿作用のあるも
のは不可)をし、1時間に一度くらいは足の運動をします。立って歩くことができればベ
ストですが、無理な場合は「足首の曲げ伸ばし」「かかと上げ」「ふくらはぎのマッサー
ジ」といったことでもかまいません。要は、足を動かさない状態を長時間継続しないこと
です。また、静脈からの血液の流れを促進させる弾性ストッキングの使用も有効な方法と
言われていますので、防災グッズの1つとして備えておくのも良いかも知れません。

他にも、血管を収縮させる作用があるタバコは控え、熟睡して同じ姿勢を続けてしまいや
すい睡眠薬などの使用も控えましょう。

エコノミークラス症候群は、誰にでも起きる可能性があり、重症化すれば生命にかかわる
怖い病気ですが、こまめな対策をすることで予防することも難しくありませんので、しっ
かりと覚えておきましょう。


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