1.猫背と慢性疲労
猫背は見た目にも美しいものではありませんが、身体に負担がかかり、さまざまな悪い影
響をおよぼす姿勢であると言われています。肩こりや頭痛、腰痛といった症状は日常的に
よく耳にしますが、慢性的な疲労の原因になっていることもあります。
いずれの場合も、姿勢が悪く血行不良で、体のあちこちに余分な負担がかかっていること
が原因です。そもそも良い姿勢というのは「体に負担をかけない姿勢」のことで、骨だけ
で立っていられる姿勢のことを言います。つまり、筋肉に負担をかけてしまうことが多く
なるほど姿勢が悪いということになるのです。
猫背の人は、頭の重みが前にかかるため、それを支えるために肩や首の筋肉を使います。
これが肩こりや首コリ、頭痛の原因になる訳ですが、猫背は首に続く背骨にも影響が出る
ことがあります。すると、そこを通っている自律神経節にも影響をおよぼすことになり、
体がだるい、不眠、疲労感といった症状が現れることになります。
物理的にも体重を筋肉で支えることで、体が疲労します。重さに耐えることができるのは
骨だけで、筋肉は本来重さに耐えられるようにできていないのです。このようにして、体
も脳も疲労した状態が原因不明の慢性的な疲労感になってしまうのです。
2.猫背の改善方法
猫背になる原因でもっとも多いとされているのが、デスクワーク(パソコン操作)やスマ
ホと言われています。ストレートネックやスマホ首など、さまざまな表現方法が存在する
ことからも、これらと猫背の関係は深いということになります。
一般的に猫背を治すには、姿勢矯正ベルトや下着などが良く知られていますが、実際使っ
てみると、案外仕事の妨げになったりして、すぐにギブアップしてしまう人が多いようで
す。そこで、スマホやパソコンと長時間向き合っている人は、とりあえずは腰を曲げない
姿勢を心がけましょう。そして、1日に数回、猫背矯正体操をしてみましょう。
座ったままでもかまいませんので、肘と手の甲が肩の位置にくるように上げます、そのま
ま約10秒静止、次に手を前方に突き出し約10秒静止、最後に手を水平に広げて約10
秒静止します。ちょうど平泳ぎの水をかく手の動作です。注意点はアゴを引いて頭を上げ
ないことと、肘と手の甲は肩の高さをキープすることです。
家では、バスタオルなどを巻いて背中の下に当て、そのままバンザイの姿勢で背中を伸ば
してみましょう。無理をしないように少しずつ時間を伸ばすようにしましょう。1日に1
回、5分~10分で十分です。私はバックストレッチャーを使っていますが、これもおす
すめです。
ただし、猫背を治す一番の方法は日常生活で猫背にならない姿勢を考えることです。特に
デスクワークやスマホを見るときは、腰を伸ばし、首を前に突き出さず、アゴを引いた姿
勢を心がけるようにしましょう。この姿勢で自然に見下ろせる位置にパソコンの画面があ
るように設置したり、スマホはできるだけ本体を顔の高さまで上げるようにして、頭が上
体より前に出ないように意識することが大切です。
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