骨密度は年齢と関係なし?
骨密度が年齢と全く関係ないかと言えば、それは少し無理があるかも知れませんが、少な
くとも言えることは、小学生でも骨密度は低下しますし、更年期を迎えた女性でも骨代謝
を適切に維持できれば、骨密度を増やすことも可能なのです。
一般的には、骨量のピークは20歳前後とされていますので、いくら何でも小学生で骨量
の低下はないだろうと思うかも知れませんが、ライフスタイルの変化により、近年は骨密
度の低年齢化が進んでいて、小中学生にも骨密度の低下が見られると言われています。
では、ライフスタイルの変化とは何かと言うと、塾やゲームなどの普及で、外に出る時間
が少なくなり、日照時間が減少することでビタミンDが不足します。同じような理由で、
運動不足にもなり、それは近年の小中学生の体力低下が明らかなように、骨密度の低下の
原因にもなっています。そして、インスタント食品やファーストフードなどが増えたこと
で、骨に必要な栄養の不足も目立ちます。
逆に言えば、現在、骨密度が低下傾向にある人は、これらの何かに該当していないかを知
ることが、骨密度を回復させるヒントにもなるのです。
骨密度が低いと指摘されると、カルシウム摂取を考える人が多いですが、確かにそれも必
要な要素ではありますが、カルシウムは骨に定着しなければ意味がありません。無駄に多
く摂取しても、それはむしろ内臓の石灰化が進むだけで、骨が強くなることはありません。
骨密度を上げる正しい方法
骨に必要な栄養と言えば、コラーゲン、カルシウム、カリウムですが、そこにだけスポッ
トを当てるような食事ではなく、まずはインスタント食品やコンビニ弁当などの便利食品
をやめて、バランスの良い食生活を始めることです。
それだけでも骨に必要な栄養はかなり確保されますが、更年期、出産後など特殊な条件下
にある人は、骨の育成を強化するための総合栄養剤なども利用する必要があります。
次に、知っておかなければならないのは、骨密度は栄養成分だけでは増やすことはできま
せんし、骨を強くすることもできません。運動による負荷(ダメージ)をかける必要があ
ります。ダメージは、修復するために必要な栄養が集まってくることになりますので、吸
収力が高まり、骨密度も高くなってくるのです。
そして、太陽光を浴びることでビタミンDを自然に増やし、栄養環境を整えるようにする
ことが大切です。運動と言えば、構えてしまう人もいますが、骨密度を上げるための運動
は、ウォーキングのようなもので良いのです。それでも十分ですし、むしろあまり激しい
運動は骨折リスクも増えますので避けた方が無難です。
何事にも言えることですが、骨=カルシウムといった考え方は、まず効果が出ることはあ
りません。例え、基本的に必要な成分がカルシウムであっても、それが適切に活用される
条件を満たさなければ、ほとんど効果が期待できないというより、むしろ過剰摂取による
弊害の方が大きくなるのです。
なので、カルシウムを増やすことより、カルシウムが不足している原因を考えることから
始め、その後に改善方法を考えるのです。
老齢になってからでも、骨代謝は完全に止まっている訳ではありませんので、適切に対応
すれば、何歳からでも骨密度の上昇は可能ですし、実際にそのような研究報告もあります。
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