1.血圧と有酸素運動
高血圧と診断されれば、すぐに薬を使って下げるというのが現在の日本の治療法ですが、
それは高血圧の程度にもよりますが、普通に年齢プラス90(60歳なら 150 mmHg
レベルなら、それほど急を要するものでもありませんので、ウォーキングやジョギングな
どの有酸素運動を、1日の合計で30分以上になるようにしてみましょう。
有酸素運動そのものがよく分からないという人は、軽く汗ばむ、軽く息がはずむ、といっ
たところを目安に軽い運動をすれば良いのです。ただし、高血圧の他にも心疾患などの身
体的な問題がある場合は、医師と相談の上で実施するようにして下さい。
同じ病気でも、糖尿病や脂質異常症など、高血圧と同じグループの生活習慣病なら、やは
り軽い運動をすることで良い効果が期待できます。
ただ、軽い運動と言っても、日常的にほとんど運動をしていないような人が、いきなり頑
張ると、身体的な負担が大きくなり過ぎて、逆に体調を崩すことにもなりかねませんので、
そのような場合は、まずは部屋を掃除したり、子供と遊んでみたり、日常生活のなかでの
身体活動量を増やすことから始めて下さい。
もちろん、体調や天候の悪い日は、中止しても問題ありませんし、寒い日には準備運動な
どをしっかり行なうことも大切です。
そして、高血圧と言えば、食べるものにも注意が必要で、よく指摘されるのが塩分です。
しかし、それよりももっと良くないのがトランス脂肪酸です。世界の国々ではプラスティ
ック食品とか狂った脂肪と呼ばれ、規制対象品目になっていますが、日本では何の規制も
ありません。高血圧と言えば、悪玉コレステロールという言葉が一人歩きしていますが、
実はその悪玉コレステロールを増加させる大元がトランス脂肪酸にあると言っても過言で
はありません。
トランス脂肪酸が多く使われている代表食品は、マーガリン、ショートニング、インスタ
ント食品、レトルト食品、クッキーなどの焼き菓子、ケーキなどの洋菓子、パン、サラダ
油、ドレッシング、チョコレート、アイスクリーム、コーヒーのミルクなど、おなじみの
ものばかりです。
また、コンビニで販売されている食品の基準は「温度30℃の環境下で48時間、細菌の
数が一定基準を超えないこと」とされていて、これをクリアするには、トランス脂肪酸や
食品添加物に頼るしか方法はありませんので、美味しそうに見えるパンやおにぎり、お弁
当などにはたっぷりと含まれていることになります。
なので、軽い運動を1日合計30分以上と、トランス脂肪酸入りの食品をできるだけ控え
ることで、高血圧をはじめ、生活習慣病全般にも良い効果があるのです。
2.高齢者の血圧対策
高齢者になると血圧が上がるのは、ある意味当然のことでもあります。それは、血圧をコ
ントロールするホルモンや自律神経の働きが乱れやすくなることに関係していて、ノルア
ドレナリンという物質を多く分泌するようになります。この物質が血管を収縮させてしま
うため血圧を上げてしまいます。これが高齢者が高血圧を引き起こす要因の1つです。
次に、高齢者に限った訳でもありませんが、睡眠不足は血圧を上げる原因になります。特
に高齢者だけの問題ではありませんが、高齢者の大半は睡眠不足(睡眠の質が悪い)の悩
みを抱えていますので、それはそのまま高血圧につながっています。
そこで、どう対処すれば良いかというと、軽い運動とトランス脂肪酸の摂取を控えるのは
言うまでもありませんが、血管を収縮させる作用のあるタバコを控え、食物繊維やミネラ
ル類を多く含む、野菜や海藻類を積極的に摂取しましょう。
また、ノルアドレナリンの過剰分泌を抑える働きがあるとされるギャバを摂取するのも効
果的な方法としておすすめできます。ギャバはそれ以外にも、睡眠の質を高めたり、スト
レスを緩和させたりする作用もあると言われていますので、まさに高齢者の高血圧対策に
はバッチリという感じがします。
ギャバの1日の必要摂取量は100mgと言われていますので、バナナにして1日40本
程度になります。まぁ、普通は無理ですので、サプリメントを利用する人が多いと思い
ますが、そのときはギャバ100mgが含まれていることを基本に選びましょう。
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