血糖値が上がる原因
血糖値が高くなる原因は、細かく分ければいろいろありますが、一番大きな原因は現代社
会に生きているということです。２４時間営業のコンビニやファミレスなど、その気にな
れば、いつでも好きなときに食べ物を口にすることができる環境で生活していることです。
しかも、そのような場所で手に入る食べ物は、血糖値を上げるのに最適な糖質を多く含ん
でいて、逆に血糖値の上昇を抑制する食物繊維を含む野菜や海藻類などはほとんど含まれ
ていません。
更に、仕事でもパソコンの前に座ったままメールや電話で大半は完了してしまうし、移動
も車や電車といった感じで、エネルギーを消費する機会はほとんどありません。
その上、ストレスが多く、運動をする機会もほとんどない現代社会は、肥満、高血圧、糖
尿病といった生活習慣病になる要因がすべて含まれているのです。
ところが、高血糖であっても、その影響はすぐに自覚できるものではなく、じわじわと体
にダメージを蓄積していくタイプなので、私たちが糖尿病と気付くのは膵臓から分泌され
るインスリンの量が減るか、効力が低下するかで糖尿病と診断されるまで、ほとんど気付
くことがありません。しかし、実は、糖尿病と診断される１０年以上も前から膵臓の機能
低下が始まっていると言われています。
なので、私たちが糖尿病で高血糖であることを知ったときは、すでに膵臓の機能は正常時
の半分程度になっているということです。そして、困ったことに、この失われた機能はも
う治らないと言われるほど回復することが難しいので、できれば症状が出る前に予防する
ことが大切なのです。
最初に書いたように、血糖値が上がる原因はいろいろありますが、現代社会で生活してい
ることそのものが最も大きな原因なので、ある程度の年齢になると、ほぼ全員に糖尿病の
リスクがあるということになります。
血糖値のコントロール法
血糖値を上げるのは「糖質（炭水化物）」が中心ですので、まずは炭水化物の摂取量を減
らすことです。しかし、決して炭水化物を食事から完全に抜くというようなことをしては
いけません。私たちの体を支えるエネルギー源の中心でもあるため、三大栄養素の１つと
なっているのです。あくまでも「減らす」ということでなければなりません。
つまり、血糖値をコントロールするには「腹八分目」を心掛けることで、重症の糖尿病で
なければ個々の食品については血糖値コントロール中を意識する程度で良いと思います。
ただ、基本的には「ご飯」や「パン」「麺類」などの主食を減らし、野菜やたんぱく質を
多めに摂ると、空腹感で苦しむこともありませんし、血糖値が上がりにくくなります。
問題なのは、外食やコンビニ弁当、レトルト・インスタント食品が多い人の場合です。
最近はなかなかよくできたサプリメントなどもありますので、せめてその程度の努力はし
ておかないと、中年以降にはまちがいなく糖尿病の診断を下されることになります。
もちろん、家でしっかり腹八分目を実践している人でも、糖質はビールやスポーツ飲料、
果物にも非常に多く含まれていますので、サプリメント
などは積極的に活用しても何も不
都合なことはありません。
そしてもう１つは、適度な運動です。ハードな運動でなくてもウオーキングなど、継続す
ることで筋肉を強化でき、基礎代謝を高めることができると、寝ている間でもエネルギー
の消費に貢献してくれますので、ぜひエレベーターを階段に変える程度のことからでも始
めてみて下さい。
