１．うつ病の症状
うつ病とは、ストレスなどが原因となって、日常生活や社会生活に支障をきたすようにな
る精神疾患のことです。その特徴的な症状としては「気分の落ち込み」や「不安」などの
精神的な抑うつ症状が強く現れることです。
主な症状としては、憂鬱になる、不安になる、イライラする、自分を責める、死にたくな
るといった精神的なことから、食欲の低下・増加、疲れやすく倦怠感がある、眠れないと
いった身体的なことまで広い範囲に見られます。
うつ病の原因はストレスの蓄積などが大きいとも言われていますが、実際のところは明確
な原因というのは解明されていません。ただ、うつ病患者の検査データでは、脳内の感情
や欲求にかかわる脳内神経伝達物質（セロトニンやノルアドレナリンなど）の働きが悪く
なっていることが多く、脳内の神経細胞に何らかの異常が生じたために発症すると考えら
れています。
また、うつ病になりやすい人の特徴としては、生真面目で完璧主義、責任感が強い、自分
に厳しい、気を使いすぎる、凝り性といった、自分自身を抑制することで、心や体に負担
を強いることが日常的になっていることが発症リスクを高める原因となっているのではな
いかと考えられています。
うつ病ということから、ネガティブなストレスをイメージしてしまうことが多いですが、
離婚や死別、失恋、いじめなどによるストレスだけではなく、結婚や就職、出産、引っ越
しなどポジティブな出来事も、うつ病発症の原因になっていることがあります。
国民の約１割の人が一度はかかる病気とも言われる「うつ病」は、ガンや糖尿病と並んで
国民病的な５大疾病のひとつとされていることはあまり知られていません。しかし、近年
ではその数も増え続け、最近の２０年間だけでも患者数は１０倍になっていると言われて
います。さらに、以前は、うつ病は働き盛りの年代に多い病気という認識でしたが、現在
では若い世代にも珍しい病気と言えないほど多く見られるようになっています。
２．うつ病の対処
うつ病が「命にかかわる病気」とまで考える人は多くありませんが、実は、うつ症状に苦
しんだ末に死を選ぶという自殺と深くかかわっていると言われています。年間自殺者の２
割程度にうつ病が関係しているとされていますが、実際はきちんと病院で治療を受けてい
る人はごくわずかとも言われていますので、うつ病と気付かないまま、悩んで死を選んだ
人も加えると、非常に多くの人がうつ病と関係しているのではないかとも言われています。
そこで、気になるところですが、うつ病は治るのかというと、適切な治療を行えば約６０
週間で７割程度の人は寛解（完治しないまでも、症状が落ち着いて安定した状態なる）す
るとされる研究データがあります。なので、まずは「焦らず、あきらめず、つらくても治
療を続ける」という気持ちを強く持つことです。
うつ病には、数値的な改善基準がありませんので、「気になる症状が全般的に気にならな
くなったとき」が一応の目安になります。
うつ病の最近の研究では、うつ病になった人はビタミンＢ群、葉酸、トリプトファン、鉄
などの栄養が不足している傾向にあるとしています。なので、意識的に不足している栄養
を摂取するようにしてみましょう。
次に、軽い運動はストレスを解消して心をリフレッシュしたり、血流を良くして睡眠の質
を高める働きが期待できると言われていますので、負担にならない程度の自分に合った運
動をしてみましょう。
そして、悩みや気になることは、一人で考え込まないで家族や友人に話してみましょう。
うつ病そのものが、自身の性格やストレスの感受性に起因するところが大きいので、共通
する特効薬というものも存在しにくいところがあります。そこで、私のおすすめは「まず
は心行くまで寝る」ということです。寝ている間にリセットされたり、リフレッシュされ
ることも多くありますので、非常に有効な方法の１つとして寝ることをおすすめします。
そもそも眠れないから困っているんじゃないかという人には、睡眠薬ではなく心の絆創膏
と言われるハーブのサプリを試してみて下さい。ぐっすり寝てから、次に何をすべきかを
考えてみることです。
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