ストレスとは何か？
現代人の多くの人が抱える悩みの１つがストレスと言われています。その理由は対人関係
であったり、仕事の内容であったり、さまざまですが、案外、ストレスの役割を正しく知
っていて、適切な対応ができている人は少ないようです。
外部から刺激を受けると、体に何らかの反応が起こります。その反応と、その原因となる
刺激（ストレッサー）のことをストレスと言います。膨らませた風船を指で押すとへこみ
ますが、このときの「指で押す力」と「へこみ」のことをストレスと言うのです。
普通は、多少の力が加わって、一瞬へこんでも、すぐに元にもどります。人間の体にもそ
のようなシステムが備わっていて、多少のストレスを受けて体調を崩しても、少し休めば
元通りに回復します。これを生体恒常性（ホメオスタシス）と言います。
実際、このレべルのストレスなら、それほど深刻な問題にはならないのですが、ときとし
て、圧力が強すぎて風船が割れてしまうようなこともあります。私たちの体で言えば、ホ
メオスタシスの限界を超えたストレスを受け続けたときにさまざまな問題が起きるのです。
このように書くと、ストレスは私たちにとって不要物だと考えるかも知れませんが、それ
は間違いで、実は、私たちが生活していく上でストレスは無くてはならないものでもある
のです。例えば、疲れによるストレスを感じることで、オーバーワークを自重しようと考
えますし、不安や不満によるストレスのお陰で、努力を喚起する原動力になります。
更に、暑さや寒さ、恐怖などをストレスとして感じることで、自分の身を守ることを真剣
に考えるようになります。
このように、ホメオスタシスの範囲内でのストレスは、むしろ人生には欠くことのできな
いものなので、ストレスを上手にコントロールしながら活用していくことが大切なのです。
ストレスの減らし方
同じ環境で生活していても、ストレスの感じ方は人それぞれ違います。それは「捉え方」
の違いによるものです。ストレスを溜めやすい人は、総じて「オールorナッシング的な捉
え方をする人に多く、すぐに「～すべきだ」という結論に至る人です。
つまり、自分で自分を追い込んでいるのです。ここは性格の問題もあり、難しいところで
すが、そのような考え方をする傾向にある人は、ストレスを感じた事項をメモしておき、
後で再検討するというような方法で、多面的な思考力を育成することです。
対人関係においても、ストレスを溜めやすい人は、一方的に自分の考え方を主張したり、
逆に、相手に振り回されて、不快な気持ちで終わるタイプの人です。
このような傾向にある人は、まずは「相手の話をよく聞き、相手の気持ちを尊重」した上
で、「自分の気持ちも素直に表現」するように意識することです。それでも会話が進まな
いようなら、無理に進めようとせず、一旦は回避するような手法を習得することです。
そのようにしていても、やはりストレスが溜まるようなこともあると思いますが、その場
合も、溜め込まないようにすることです。早めに意識して休憩や休息をとって、緊張の糸
が切れるまで集中しすぎないことです。
１日単位では、ゆっくり入浴したり、ストレッチなどをして、自律神経のバランスを整え
るようなプチリラクゼーションで精神の安定をめざしたり、長期的には、趣味やスポーツ、
旅行など、開放感を感じるようなものを１週間に１回程度取り入れてみましょう。
また、食生活が乱れがちの人は、精神的なストレスの緩和に必要とされるビタミン類など
をサプリメントで補給することもおすすめの方法です。
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