ストレスとは
工学系の学生さんなら、ストレスという言葉は我々とはまた違った意味で使っていると思
いますが、実はストレスの語源はその工学の世界で使われているものなのです。
ある物体に力を加えて変形させようとするとき、その物体は元にもどろうとする力が生じ
ます。このもどろうとする力がストレス（応力）というもので、両者の力の間に緊張状態
が生じていることをストレス状態と言います。
つまり、外部から加わった力に反応して生じる力が、ストレスということになります。
ただ、人間の場合は、それほど単純なものではありませんが、あらゆる不快な刺激によっ
て生じる反応のうち、心身に反応が生じるときに、それはストレスということになります。
一般的には、不快な刺激のことをストレスと呼んでいることが多いですが、ストレスとは
そのような刺激によって生じる心身の反応のことを言うのです。
と言えば、その反応は、悪いことばかり生じるように捉えられていると思いますが、そも
そもストレスというのは、私たちの身体を守るために出る症状の１つで、例えば、不快な
刺激を受けると自律神経に作用し、緊張したり、脈拍を上げたり、呼吸を早めたりして、
その不快な症状に勝つための集中力やエネルギーを準備するための反応なのです。
これがあるから、大切な仕事や困難にも打ち勝つことができ、無事に乗り切れるのです。
では、何が問題なのかと言うと、適度なストレスは不快な刺激に打ち勝つ原動力ですが、
過度なストレスは心身を傷つける原因になります。
いつまでも緊張状態にあり、呼吸も、鼓動も速い状態が続くと、リラックスすることがで
きず、疲労がたまり、睡眠が妨げられ、神経細胞が傷ついたりして、心身にさまざまな不
調が生じてしまいます。
このようにして、過度なストレスが原因で病気が生じてしまうことを「心身症」と言い、
心が疲弊した状態になると「適応障害」や「うつ病」などを引き起こすことから、ストレ
ス＝悪者と考えられることが多いですが、ストレスは「過度」でなければ、本来必要なも
のなのです。
ストレス解消法
ストレスと上手に付き合う方法は、ストレスを溜め込まないようにすることです。その方
法も、それほど難しいことをする訳でもないのですが、なぜか出来ないというより、やら
ない人が多いようです。そういう意味でも、ストレスは性格によるところが大きいのかも
知れません。
では、誰にでもできる効果的なストレス解消法を伝授します。
不安やイライラを感じるようなストレスを感じたら、深呼吸をすることです。「ゆっくり
吸って、少し止めて、ゆっくり吐く、少し止めて、またゆっくり吸う」といったリズムで
脳の警戒信号を解除することで、全身のリラックス効果が得られます。
次は、軽い運動（早歩きで２０分程度）をすることです。運動によるメリットはいろいろ
ありますが、ストレスに関しては、脳内で機能する神経伝達物質の１つ「エンドルフィン」
が分泌されることです。脳内麻薬とも呼ばれるように、運動の辛さを軽減して幸福感を与
えてくれるとされる物質ですが、脳の幸福はストレスの軽減なしにはありえないことから
も、効果的な方法であると言えますね。
そして、最後は特に都会に住む人におすすめですが、自然と触れ合うことです。大自然に
触れるとき、人間の脳は大きな開放感が得られることは、ほとんどの人が経験していると
思いますが、そのままストレスの解消になっているのです。
森林浴は無理でも、太陽の光を適度に浴びる、観葉植物を置いて眺める、自然の音を聴く
など、すぐにできることをするだけでも、ストレスの蓄積度はかなり違います。
私のおすすめは、ストレス解消効果で知られているだけでなく、健康のためにも、さまざ
まな栄養素がびっしり詰まったゆず茶を飲むことです。香りに癒され、味に癒され、元気
の出る成分補給のひとときとして欠かせません。
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