ダイエットにカロリーは無関係
一時期「糖質制限ダイエット」というのが持てはやされていましたが、これは良いかと言
うと個人的にはあまりおすすめしませんが、その基本的な考え方は正しいと言えます。
また、カロリーオーバーが太る原因なので、脂肪の多い肉や魚を控えるという考えは個人
的には正しいとは思っていません。それは、いかにも太って見えるのは体に着いた脂肪な
ので、イメージとしては説得力がありますが、実際は、脂肪は食べ過ぎたとしても、余分
なものは排出されてしまうものなので、そのまま体内に残ることがないからです。
では、その太って見える張本人の脂肪は何かと言うと、糖質（炭水化物）で、これは摂取
すれば１００％吸収されて、使い切れなかった分も排出されることはなく、中性脂肪とし
て蓄えられることになり、これが太る原因の脂肪の正体です。
そしてもう１つ注意しなければならないのが果物で、健康やダイエットにも良いと勧める
人が多いですが、ダイエットに関しては、果物は太る食べ物の横綱クラスなのです。
つまり、ビタミンやミネラルが豊富に含まれていることから、健康面では確かに悪くはあ
りませんが、果物には糖質も豊富に含まれています。しかも果物に含まれる糖は「果糖」
で、エネルギー源となるブドウ糖とは違って、エネルギー利用されることがなくそのまま
脂肪に変わって貯蔵されるタイプのものなのです。
なので、置き換えダイエットなどと言って、朝から空腹時にフルーツジュースだけを飲む
などというのは、まさにダイエットの敵とも言える行為で、甘く美味しければ美味しいほ
ど太る要素が多く含まれているということになります。
ダイエットの基本は血糖値調整
糖質が摂取されると、ブドウ糖に変化して体を動かすエネルギーとして利用されますが、
使い切れなかったブドウ糖はインスリンというホルモンの働きで脂肪に変えられて蓄えら
れることになります。
では、このインスリンが分泌されるのはいつかと言うと、血液中のブドウ糖の量（血糖値）
が１４０mg/dlを超えてくるあたりということになっています。つまり、このレベルを超え
ない範囲で糖質を摂取すれば太らないということになります。
この原理を極端にしたのが「糖質制限ダイエット」と呼ばれるもので、実際、これは簡単
に痩せることが可能ですが、それは栄養失調的な痩せ方で、健康上の問題も出てくるほど、
ある意味リスクの大きい痩せ方と言えます。
なので、美しく健康的に痩せたいと思うなら、この血糖値の調整をいかに上手に行うかと
いうことに尽きるのです。
その方法は、もうすでにいろいろなところで紹介されていますが、「糖質を６０ｇ以内に
抑えて、タンパク質や野菜中心に食べる」とか、「野菜⇒タンパク質⇒糖質の順に食べる」
とか、「１回の食事量を減らして何度も食べる」といったことです。
私はこのような方法より、多少経費がかかりますが、糖質の吸収を穏やかにするというタ
イプのサプリメントなどがおすすめです。糖尿病の治療ならもっとしっかり調整しなけれ
ばなりませんが、ダイエットならそのレベルでも十分ですし、何より継続しやすいという
ことでは、他のどの方法よりも優れています。
そして、この血糖値を調整する方法は、現在国民の３人に１人は糖尿病と言われるような
生活習慣病対策にもなると思えば、ダイエット以上の価値があると言えますので、ぜひこ
れを機に始めてみて下さい。