ファスティングの効果
英語の「ｆａｓｔ」というのが語源で、その名詞形がファスティングということなんです
ね。意味は「断食・絶食・精進」ということで、もともとは宗教儀式や精神修行の１つと
されていたものが、健康維持や病気治療にも有効であるとして、近年脚光を浴びることに
なったのですが、よくご存知のブレックファースト（朝食）もそういう意味なんですね。
つまり、ファースト（断食）をブレイク（破る）ということで、前夜からの絶食時間を破
って、食事を摂るということからブレックファーストというのです。
話はそれましたが、ファスティングがなぜ健康に良いのかと言えば、簡単に言えば消化器
官の休息です。飽食の時代とも言われる現代人は、常に食べ過ぎの傾向にあります。しか
も、加工食品やインスタント食品などの添加物や防腐剤などで、消化器官は休みなく働い
ていても栄養の吸収や不要物質の排出作業が追い付かない状態で、常にオーバーワークに
なっているようなところがあります。
それは、内臓の酷使と同時に、本来は体の健康維持のために使われるはずのエネルギーも、
有害物質の解毒や排出に使われてしまうことになりますので、そのような状況が続くと体
調不良などの症状として現れてくることになります。
それだけではなく、有害物質によって臓器そのものがダメージを受けていても、それを修
復する余裕もないような状態なので、ファスティング（断食）をする意味は、その疲弊し
た機能を休ませて回復させることにあります。
実際、多少なりとも断食を経験した人なら、その後の「味覚の変化」には驚かれることと
思います。これは、断食により味細胞の修復、神経伝達回路の回復などにより、味覚シス
テムがリセットされた結果です。
もちろん、味覚のように直接的なものではありませんが、消化器官や内臓が回復したサイ
ンも、やがて肌や髪などの目につくところにも反映されてくるようになります。
ファスティングの方法
ファスティングと言っても、私たちがやる目的は精神修行ではなく、オーバーワークにな
っている内臓器官に休息を与え、蓄積された有害物質を排出して体をリセットすることに
あります。なので、２週間も３週間もやる必要はありません。
まずは、３日以内の簡単なものからでも始めてみることで、内臓機能のリセットとともに
食事の意識を変えることができれば十分意味があるのです。
味覚が回復することで、濃い味付けや化学調味料ではなく、素材そのものの味を感じるこ
とができるようになるだけでも、肥満や生活習慣病などの予防になります。つまり、自然
とダイエットもできてしまうのです。それは、食べないからではなく、内臓の機能が回復
することで、余分なものを溜め込まないようになるからです。
最初は、週末や連休を利用してやってみるという程度でも良いと思いますが、最近の芸能
人やスポーツ選手がやっているファスティングは、完全な断食ではなく、野菜などを発酵
させた酵素ドリンクなどを利用しながら行うという方法が主力です。
内臓を休ませながら、必要最低限のミネラルやビタミンを補給するという安全を確保しな
がらのファスティングですが、これでも私たちが目標とする「体内リセット」や「味覚の
回復による食事への意識変化」の効果は十分期待できます。
断食という固い感覚ではなく、食べ過ぎを修正するといった軽い考えで、心身の浄化を始
めてみませんか？納得するところがあれば、本格的なファスティングを研究してみるのも
健康管理の一環としてはとても意義のあることだと思います。
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