1.耳鳴りとストレスの関係
耳鳴りとは、実際は何も鳴っていないのに、耳のなかでさまざまな音が聞こえる症状で、
ザー・ジー・ゴー・ブーンといった低温やキーン・ミーン・ピーといった高温などがその
代表的な音と言われています。
耳鳴りとストレスの関係は、正直なところまだ明確になっている訳ではありませんが、人
間関係や仕事などでの「精神的ストレス」や睡眠不足・疲労・生活環境などによる「身体
的ストレス」が長期間続くことで、自律神経が乱れているときに発症しやすいと考えられ
ているのです。ストレスを受けることで体や心は必要以上に緊張してしまい、その過剰な
負担が首や肩の凝りを引き起こし、骨格にゆがみが生じることで耳鳴りの原因になると考
えられているのです。
ストレスによる耳鳴りは、本来聞こえていない音(特にキーンという音)が聞こえ、耳の
中が詰まって、周囲の音が聞こえにくくなり、めまいや立ちくらみ、吐き気など、聴覚以
外の症状も伴うところに特徴があります。なので、耳鼻科で検査を受けても異常が見つか
らないような場合は、ストレスが原因の耳鳴りである可能性が高いということになります。
また、30代~40代の女性に多いとされる「急性低音障害型感音難聴」は、耳閉感に続
いて低音域の難聴と耳鳴り(低音であることが多い)が生じる症状で、たまに軽いめまい
をともなうこともあります。こちらも原因が解明されている訳ではありませんが、ストレ
スや過労などの心身の疲弊がきっかけで、内耳にリンパ液が溜まることが発症原因と考え
られています。この場合は、早期に適切な治療を受けなければ、難聴が進行してしまって
障害となって残ることもあります。ただ、発症直後には難聴まで自覚出来ていないケース
も多く、放置されることも少なくありませんが、耳鳴りはもとより、それ以外の症状も自
覚されるような場合は、できるだけ早期に病院で検査を受けるようにして下さい。
2.ストレス性の耳鳴りの対処
耳鳴りの原因はストレスだけではありませんが、ストレスが耳鳴りの原因の大きな1つで
あることに違いはありません。そこで、耳鳴りが気になりだしたら、まずは軽い運動や趣
味などを通じて心身をリフレッシュすると同時に、寝不足や疲労などを解消して生活リズ
ムを整えるような意識を持つことです。つまり、自律神経を整えて、血流を良くすること
を目指す訳です。
また、耳鳴りがしているときは、できれば静か過ぎる環境は避けるようにしましょう。あ
まり静か過ぎると、かえって耳鳴りが気になってしまって、それ自体がストレスになって
しまうこともあります。どうしてもそのような環境になってしまうという人は、川のせせ
らぎや波の音などの自然音のBGMなどを流すことで、耳鳴りが気にならなくなるだけで
なく、精神的な安定にもつながります。
をよくするために「水分補給」、末梢神経の働きを活性化するビタミンB12などを積極
的に摂るように意識しましょう。レバーや魚介類に多く含まれていますが、苦手という人
には漢方成分で作られた医薬品もありますので、それを活用しましょう。
ただ、耳鳴りの症状が長期間続いていたり、めまいや難聴をともなう場合は要注意です。
早めに耳鼻咽喉科で検査を受けるようにしましょう。さらに、激しい頭痛・しびれ・麻痺
症状もあるような場合は、緊急事態であるケースが多いので、すぐに脳神経外科を受診す
るようにして下さい。必要なら救急車の手配もしましょう。