1.寝冷えの症状
寝冷えとは、一般的には夏に寝ている間に体を冷やすことで体調を崩してしまうことを言
います。昔は、汗かきで寝相が悪い子供に使われることが多かったのですが、近年は生活
スタイルの変化もあって、大人にも寝冷えによる体調不良が多く見られるようです。
寝冷えの大きな原因の1つはエアコンで、部屋を冷やしすぎることにあります。また、現
代社会での生活では、ストレス・睡眠不足・運動不足・食生活の乱れなどが影響して、自
律神経の働きが低下していることが多く、体温調整そのものがうまくできていないことも
原因の1つと言われています。
寝冷えの症状でよく知られているのは下痢や腹痛ですが、体を冷やしてしまうことによる
不調はそれだけではありません。頭痛・発熱・咳・喉の痛みといった風邪の症状や筋肉の
緊張による肩こり・腰痛、血流の悪化による関節痛・しびれなども寝冷えにより起きる症
状ですし、特に目立った症状がなくても全身の疲労・倦怠感・食欲不振などが慢性的に続
くような場合は体が冷えていることが原因かも知れません。
暑い夏には「夏バテ」という言葉をよく耳にしますが、寝冷えの症状の総合が夏バテなの
かも知れませんね。いずれにしても、しっかり寝冷え対策をすることで、快適な朝を迎え
ることができれば、さまざまな体調不良も改善されて、夏バテなどとも無縁の生活ができ
るようになるのかも知れません。
2.寝冷えの対策
大人になると、明け方に震えるような寒さで目が覚めることがよくあります。それが寝冷
えです。人は寝ている間にコップ1杯の汗をかくと言われていますが、暑い夏場はそんな
ものではありません。人によっては1リットルもの汗をかくと言われています。
特に、就寝前に高くなった深部体温(体の中心部の温度)を下げて、眠りを促進するため
に、寝入りばなに多くの汗をかきます。そして体温がもっとも下がるのが就寝後4時間位
経過した頃で、そのときは外気温も低くなる時間帯ですので、普通に寝冷えが起きやすい
状態にあります。そんなときにエアコンの良く効いた状態で寝ていれば、大人であろうが
子供であろうが、体は冷えてあたりまえということです。
エアコンがなければ寝られないような熱帯夜が続くこともありますので、エアコンは使う
なとは言いませんが、寝冷え不調を改善するためには、エアコンの温度設定やタイマーを
上手に活用する必要があります。例えば、就寝前・就寝時には27℃程度、明け方には切
れるような設定を自分の眠りのパターンに合わせて調整することです。
またエアコンを使うときは、薄着をせず通気性の良いパジャマなどを着るようにしましょ
う。寝冷えは基本的に深部体温の下がりすぎを防ぐことにありますので、最低でも薄手の
腹巻きなどを利用して内臓を冷やさないように注意しましょう。
そして、意外に知られていないのが椅子などでうたた寝をしているようなときです。人間
は眠ってしまうと体温が下がるようになっていますので、そのままの状態を放置すると寝
冷えをします。
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