疲労と睡眠の関係
疲労と言えば運動や作業で疲れた肉体を思い浮かべる人が多いと思いますが、いわゆるス
トレスというのも仕事や人間関係からくる精神的な疲労なのです。
では、その疲労とは何なのかと言うと、体がオーバーワークで壊れる前に出る警告の一種
です。筋肉や目、関節などを使い過ぎていて休息が必要と思われるところに、疲れや痛み
として部分的に現れる症状で、少しの休息で回復するようになっています。
ところが、全身的な疲労や精神的な疲労は、心身の調和が乱れ「精も根も尽きる」という
感じで、言動が鈍くなり、意欲がなくなり、情緒不安定な状態に陥ってしまいます。
そのような状態から脱出する最善の方法が「睡眠」ということになるのです。そして一晩
寝ても、尚、回復しないほど疲れているなら「過労」という状態になっていますので十分
な休養をとるなど意識して疲労回復に努める必要があります。
睡眠には疲労回復のためのさまざまな要素があります。心身ともに休養状態になりますの
で、脈拍も呼吸も血圧も下がり、血管も筋肉も神経も緊張から解放されます。つまり肉体
の本格的な休養状態になるのです。
更に、睡眠ではレム睡眠とノンレム睡眠という言葉を聞いたことがあると思いますが、寝
入ってから１時間程度経過すると深い眠り（ノンレム睡眠）状態になります。最初のノン
レム睡眠時に脳下垂体から「成長ホルモン」が多く分泌され、あらゆる細胞の修復が行わ
れます。つまり体のメンテナンスが行われることになるのです。
その後に訪れるレム睡眠は、脳が活動し眼球が活発に動いていることから急速眼球運動（
ラピッドアイムーブメント）を略してＲＥＭ睡眠と言われているのですが、思考の整理や
記憶の定着をしながら、１日に受けた心のダメージを回復する役割をしています。
一晩にこれらの睡眠が２～３回繰り返えされ心身のリフレッシュが行われるのです。
質の良い睡眠とは
質の良い睡眠とはどのような睡眠のことかということですが、厚生労働省の評価指標では
・睡眠・覚醒のリズムが保たれていて昼夜のメリハリがハッキリしている。
・日中に眠気がなく、良好な心身の状態で過ごせる。
・途中で覚醒することなく安定した睡眠である。
・朝の目覚めがスッキリしている。
・目覚めたらスムーズに行動できる。
・就寝後すぐに入眠できる。
・熟眠感がある。
・昼間に過度の疲労感がなく快適に過ごせる。
ということになっています。
確かに、健康面でも精神面でも優等生的な感じがしますが、すべてを満たすなどと考えな
いで、その中心的な部分を徹底すれば、やがて全体的に質の良い睡眠に近付くことができ
るようになるのかなと思います。
その中心的なものとは「規則正しい生活」「適度な運動」「規則正しい食生活」です。
就寝時間や食事時間・食事量などがバラバラでは、質の良い眠りなど到底無理ですので、
最低でも、この辺のところは意識する必要があります。そして、軽い運動は寝つきがよく
なり深い睡眠を得るために役立つだけでなく、ストレスの解消にもなりますので、余裕が
あればぜひ実践してみて下さい。
しかし、眠りのためにだけ生活している訳でもないので、たったこれだけのことでもなか
なか思い通りにならないという人も多いかも知れません。そのように感じている人は良質
な睡眠と疲労緩和に特化したサプリメントなどを利用するという方法もおすすめです。
特に心身ともに過労気味の人は、使えるものは何でも利用するという割り切り方も必要で
はないかなと思います。