１．筋肉痛が起きる原因
日頃からあまり運動をしない人が急に体を動かしたり、激しいスポーツの後に筋肉痛を経
験した人は多いと思いますが、筋肉痛とはどういうものかを知っておくことで、筋肉痛の
症状を軽減したり、予防したりすることに役立ちます。
以前は、筋肉痛とは激しい運動をすることで、疲労物質である乳酸が筋肉にたまることが
原因と考えられていましたが、現在では乳酸は疲労物質ではないという考え方になり、原
因は他にあるとされています。では、その新しい原因とされているものは何かということ
ですが、運動によって損傷した筋繊維（筋線維）を修復する際に炎症反応が起こることが
痛みの原因になっているという説が有力視されています。
筋肉痛には２つの種類があって、運動した直後や運動中にも起こる筋肉痛のことを「即発
性筋痛」と言い、運動後、数時間から数日後に起こる筋肉痛のことを「遅発性筋痛」と言
います。一般的に私たちが筋肉痛と理解しているのは後者の「遅発性筋痛」のことです。
筋肉疲労と言えば、運動をすることだけをイメージしますが、実は体を動かさないことで
も筋肉疲労が起こります。前者の場合は、体を動かすことでエネルギー不足になったり、
運動による疲労物質の蓄積などですが、後者の場合は、バスや電車に長時間にわたり同じ
姿勢で座っていたりすると、血行が悪くなり筋肉が緊張した状態が続くことで疲れがたま
ることになって疲労します。
つまり、筋肉疲労が起こる主な原因は「エネルギー不足」と「血行不良」によるものと考
えられているのです。
２．筋肉疲労の改善方法
私たちが運動をするときは筋肉を収縮させます。その収縮運動は、階段を降りたり、重い
ものを下すときに伸びながら力を発揮する「伸縮性運動」、階段を上ったり、重い荷物を
持ち上げるなど縮みながら力を発揮する「短縮性運動」、腕相撲など伸縮することなく力
を発揮する「等尺性運動」の３種類に分けられます。
このうち、もっとも筋肉痛になりやすいのが「伸張性運動」と言われています。筋繊維（
筋線維）への負荷が大きく、損傷が起こりやすいのがこの運動と言われています。坂道や
階段を降りるとき、重いものを下すときなどは特に注意をする必要があるということです。
筋肉痛を改善するには、傷ついた筋繊維の回復を促進するケアが中心になります。ストレ
ッチや入浴など血行を良くするように努め、エネルギー源となる炭水化物・タンパク質の
摂取、ビタミンＢ１・ビタミンＤ・カルシウム・亜鉛・アスパラギン酸などを摂るように
することです。自然回復を待っていられないという人はОＴＣ医薬品を使うことで痛みを
やわらげる効果が期待できるようです。いずれにしても、しっかり休息をとるようにしま
しょう。
筋肉痛の予防としては、そもそも筋肉痛の大きな原因とされているのが運動不足ですので、
日頃から適度な運動を通して筋肉を動かす習慣をつけることが大切です。筋肉は使わなけ
れば筋繊維（筋線維）が細くなって損傷が起きやすくなりますので、筋繊維回復での食事
で示したような栄養バランスに注意して、筋繊維を作るための運動を習慣化しましょう。
また、筋肉痛やケガ予防のために、運動前のウォーミングアップ、運動後のクールダウン
も忘れないようにしましょう。
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