血糖値は変動するもの
日本人の糖尿病患者の数が１０００万人を突破したと言われていますが、世の中には健康
診断を受けていない人も多いので、この数字は参考程度でしかなく、実際は糖尿病予備軍
を含め、さらに多くの人が糖尿病を患っていると言われています。
ただ、、糖尿病は自覚症状がほとんどないとか、一度発症すると治らないとか言われてい
るように、特に糖尿病を自覚している人が少なく、何かの機会に検査したら糖尿病だった
というケースが多いのです。
そして、糖尿病と知っても放置し続けたり、気付かないまま重症化すると、失明したり、
透析治療が必要になったり、足を切断したりということも珍しいことではありません。
実際、約３５万人といわれる透析患者の４割が糖尿病性腎症の患者と言われています。
糖尿病は完治しないと言われる理由は、その発症の原因が膵臓から分泌されるインスリン
の問題で、加齢やその他の事情でインスリンの分泌量そのものが減少したり、効力が低下
したりすることなのです。
なので、インスリンを中心に考えると、ほぼ「完治しない」という結論になりますが、血
糖値は血圧と同じく、毎日変動するもので、食事や運動などによっても変化するものなの
です。そして、インスリン以外の血糖値を上げる要因は自分で何とかできるものでもある
ということなんですね。
私自身が５年前に糖尿病と診断されましたが、血糖値を下げるというより「上げない」と
いう方法で、現在は５年前より低く、ほぼ「正常値」に位置しています。
つまり、血糖値が高い状態をキープすると糖尿病が悪化していきますが、血糖値が低い状
態をキープすると、糖尿病に関しては「健康状態」ということになるのです。
血糖値を低く保つ方法
日頃からよく口にする食品の「糖質（炭水化物）含有量」をだいたい把握しておくことが
大切です。最近は、どの食品にも「炭水化物〇ｇ」と表示されているので、おおよそでは
ありますが、自分の糖質の摂取量がわかります。
すると、「ケーキなどは怖くて食べられない」という考えが、「この程度までなら大丈夫」
という思考になりますので、糖尿病だから「あれを食べてはいけない」「これを飲んでは
いけない」という精神的な恐怖から解放されます。
私は、糖尿病には最も良くない「ご飯」が大好きでしたので、ついつい食べ過ぎてしまう
こともありました。そこでおまじない程度に、糖や脂肪の吸収を抑えるという「快糖茶」
という機能性表示食品のお茶を飲みましたが、これが意外に良かったようで、瞬間の血糖
値はともかく、２カ月の平均値である「ヘモグロビンＡ１ｃ」の値が５％代をキープする
ようになりました。
また、「運動をすれば血糖値が下がる」という一般常識は、糖尿病の人には常識でないこ
とも多いようです。なので、すでにインスリン注射を打っている人は運動量によって注射
量を調整する必要がありますし、食事療法を実践している人は食事量の調整に運動を取り
入れることで効果が上がることになります。
とかく糖尿病というのは「治らない病気」「合併症が怖い病気」というのが先行していま
すが、血糖値は健康な状態であっても、食事、運動、ストレス、ホルモンバランスなど、
さまざまな要因で影響を受け、変動するものなのです。
なので、必要以上に怖がることもありませんが、決して侮ることのないように、しっかり
と自分の食事・行動パターンを把握すれば、ある意味、糖尿病になる前よりも健康的な生
活ができるようになります。
