女性の「いびき」の原因
若い頃には「いびき」は男性がかくもので、自分とは無縁と思っていた女性も４０歳頃を
境に「女性のいびき」を意識することが多くなります。と言うと、察しの良い人は、その
原因は「女性ホルモンの減少」と考えると思いますが、なぜ女性ホルモンの減少が「いび
き」の原因になるのかというところが理解できなければ対策はできません。
そもそも「いびき」とはどういうものかと言うことですが、私たちが呼吸をすると空気は
気道を通って肺に届けられ、また気道を通って肺から二酸化炭素が排出されます。眠って
いるときは、この気道が狭くなったり、ふさがれてしまったりすることが原因で、ここを
空気や二酸化炭素が通過するときに摩擦が起こって出る音が「いびき」なのです。
なので、「肥満体型」や「首が短くて太め」「下あごが小さい」などの身体的な特徴も、
いびきの原因になりますが、女性ホルモンが減少すると、体形が変化したり、生活習慣が
変化したりして、いびきのかきやすい体質に変化することも原因の１つです。
しかし、もっと大きな原因は、女性ホルモンは、上気道の空間を支える筋肉の働きを活発
にする役割をしていて、そのお陰で空気の通りがよく「いびき」もかきにくいのですが、
女性ホルモンの分泌量が低下すると、その機能が低下してしまうために更年期の頃からは
いびきの悩みが増えてくることになるのです。
女性の「いびき」対策とは
若い頃は「いびき」とは無縁だった女性が、更年期の頃から「いびき」の悩みをもつよう
になるケースでは、女性ホルモンとの関係を無視できませんが、同年代のすべての女性が
いびきをかくという訳でもありません。
つまり、いびきをかきやすい体質に変化しても、他の要因が加わらなければ比較的いびき
の悩みにまでは到達しないことになります。
では、その他の要因とは何かと言うと、まず「寝る姿勢」で、あおむけに寝る癖のある人
は上気道を塞ぎやすくなる傾向にありますので、いびきをかきやすくなるのです。という
ことは、その有効な対策は「横向きに寝る」ということになります。
次に、口呼吸をする人もいびきをかきやすいことになります。口を開けて寝ていると上気
道が狭くなるため、当然いびきをかきやすくなります。対策は「鼻呼吸」にすることです
が、口呼吸の場合は睡眠時無呼吸症候群の心配もありますので、ぜひ鼻呼吸の習慣をつけ
て欲しいところです。
肥満傾向にある人は、もう漠然とおわかりだと思いますが、首や喉の周辺に脂肪が多くつ
くと、当然上気道が狭くなりますので、いびきをかきやすくなります。肥満はいびきだけ
ではなく、生活習慣病などの原因にもなりますので、対策は脂肪を落とすしかありません。
鼻に「鼻炎」などの病気がある場合も、口呼吸になったり、鼻の粘膜そのものが音を立て
ていびきの原因になりますので、まずはそちらの疾患の治療が先です。
それ以外にも、いびきの原因の主なものに、「疲労」「ストレス」「アルコール」「加齢」
などにより、上気道周辺の筋肉が緩んでしまうことでいびきをかきやすくなります。
このような原因のいずれかを対象にした「いびき」改善のためのサプリメントなども多数
出ていますが、女性の中年からの「いびき」の原因は、女性ホルモンの減少によるところ
が大きいので、そこにフォーカスしたものでなければ意味がありません。
意外かも知れませんが、「コエンザイムＱ１０」という成分は「上気道の空間を支える筋
肉の働きを活性化する」働きがあるのです。
もちろん、疲労回復やストレス軽減のための成分も必要ですが、特に女性の悩みには女性
ホルモンの減少による機能低下を補うタイプのものでなければ、あまり効果は気体できま
せん。サプリメントは「いびき」改善には悪い選択ではありませんが、選び方を間違えな
いようにすることが大切です。
