鉄欠乏性貧血という病気
鉄欠乏性貧血とは、全身に酸素を届け、二酸化炭素を持ち帰る役目を果たす赤
血球の量が減少している症状で、体が酸欠状態になっている病気のことです。
つまり、赤血球細胞内にあるヘモグロビンを構成する鉄が不足して起こる貧血
で、進行するとめまいや全身倦怠感、耳鳴り、動悸、息切れといったような症
状が現れることになります。
外見的には、まぶたの裏側や顔面蒼白、さじ状爪、舌炎、口角炎、嚥下障害な
どが現れ、時には氷を食べたくなるという異食症のような症状がみれれること
もあります。
成人男性ではHb13g/dl、成人女性ではHb12g/dl以下を貧血と言います
が、Hb7g/dl以下になると、ほとんどの場合にあらわれる症状です。
饅頭作りで言えば、あんこが不足しているイメージですが、逆に皮が不足する
場合のイメージは巨赤芽球性貧血といって、ビタミンB12あるいは葉酸の不足
を原因とする貧血状態です。
最近、体力がなくなった、脱力感がある、疲れやすい、階段を上る程度の運動
でも動悸、息切れがする、立ちくらみが起こる、頭痛やめまいがするようにな
った、よく寝ても睡魔に襲われる、むくみがある、生理不順になった、という
ような症状に思い当たることがあれば、鉄欠乏性貧血を疑ってみる必要があり
ます。
貧血と言えば女性の病気と考えられるほど女性に多く、女性の20%が鉄欠乏
性貧血と言われていますが、実は男性でも貧血になる人は少なくないのです。
しかも、男性の場合は、貧血の原因が鉄欠乏性貧血というより、もっと深刻な
病気のサインであることが多いので、女性のための貧血などの文献を拾い読み
して安心していると手遅れになることもありますので、貧血症状が見られる場
合はできるだけ早く医師の診断を受けることです。
鉄欠乏性貧血を改善するには
貧血症状が出ているとか健康診断で貧血と判定された場合は、言う間でもなく
「鉄分」をしっかり補給することが最善の策ということになりますが、鉄分は
吸収率が悪く、食事だけで補うのはかなり厳しいかも知れません。
普段の食事だけでは鉄分が不足しているから貧血になっているのですから、そ
の分を補給して、更に、すでに不足している分も補給できる状態まで鉄分の摂
取量を増やすこと自体かなり無理があります。
それに、体には本来「貯蔵鉄」という鉄の不足を自動補給する蓄えがあるので
すが、貧血症状がでる頃までには、この貯蔵鉄も使い尽してしまっていること
が多いのです。
なので、貧血の改善には、この貯蔵鉄の改善も含めると半年間程度は鉄分の補
給を続ける必要があります。
しかも、吸収率の悪い鉄分の効率を上げるためのビタミンCや動物性タンパク
質、葉酸、ビタミンB12なども一緒に摂る必要があります。
レバーや納豆など鉄分を多く含む食品がよほど好きでもない限り、これらを毎
食増量して6ヶ月も続く人はあまりいません。
なので、サプリメントなども利用して、まずは貧血状態を食い
止めることが大切です。
数値が戻ってきたら、その後は自身の判断で様子を見ながら、食事のバランス
を考えて鉄分を摂取していくことで、鉄欠乏性貧血は比較的スムーズに改善さ
せることができるようです。
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