貧血の症状と隠れ貧血
貧血とは、血液中の赤血球のヘモグロビンが減ることで、全身に酸素を運ぶ量が不足する
状態です。血液そのものの量が少ないということではありませんし、血流が悪いというこ
とでもありません。
全身が酸素不足になる訳ですから、症状としては激しい運動をしたときのような状態が、
日常の生活をしているだけでも現れるといった感じです。つまり、ちょっとした坂道を歩
いただけでも動悸や息切れがするというようなことですね。
また、目の下の内側が本来は充血して赤くなっていますが、貧血状態の場合は青白くなっ
ていたりします。
貧血とされるのは、血液中のヘモグロビン濃度が基準値以下ということなのですが、その
基準値が「成人男性１３～１４g/dl」「成人女性１２g/dl」となっています。
ところが、この数値を下回る頃には、かなり貧血が進行していることが多く、実際はそれ
よりもずっと以前から貧血状態にあったということです。このような状態を医学用語では
ありませんが、一般的には「隠れ貧血」と呼んでいます。
人間の細胞内には、鉄と結合するフェリチンというタンパク質があり、ここで保存されて
いる鉄が放出されることで多少の鉄不足には対応できるようになっています。そして、そ
の保存されたフェリチン鉄も使い切ってしまうと、いよいよヘモグロビン濃度が低下し始
めることになるのです。
なので、健康診断で貧血が認められる場合は、すでに体内には鉄が不足して危機的状態に
なっているということです。
もちろん、ヘモグロビン検査で正常でも、フェリチン鉄が減り始めた段階からすでに貧血
に似た「体がだるい」「息切れがする」といった症状が現れることも多いので、貧血の１
歩手前と言われる隠れ貧血状態に気づくことが、貧血の早期改善につながるのです。
ただ、ここでは貧血の中でも約７割とされる「鉄欠乏性貧血」の予防・改善法についての
話で、他にもいろいろな貧血があります。なので、これまでと生活状態に変化がないのに
急に貧血になったというような場合は、他の原因であることも十分考えられますので、ま
ずは病院で精密な検査を受ける必要があります。
鉄欠乏性貧血の改善方法
鉄欠乏性貧血の原因は、極端なダイエットや偏食などによる「栄養不足」、月経過多や痔
などによる「慢性出血」が主な原因です。栄養不足と言えば抵抗があるかも知れませんが、
普通に食事をしていても加齢などにより吸収力が低下したりすることも原因になります。
まだヘモグロビン検査で異常が見られない状態で、動機や息切れなど「何となく不調」や
慢性的な「冷え症」などの人は、もしかしたら隠れ貧血状態にあるかも知れません。その
段階でフェリチン検査を受けてみるのがベストですが、忙しいことを口実に案外そのまま
放置する人が多いとも言われています。
また、疲れにはビタミン剤という人も多いですが、ビタミン剤を飲むなら各種ビタミンは
もちろん、鉄欠乏性貧血に必要な「鉄」「葉酸」「各種アミノ酸」「ミネラル類」などの
有用な成分が半端なく含まれている青玉クロレラをおすすめします。
貧血はフェリチン鉄を使い切るまでは、それほど急激に変化しませんが、いったん貧血と
診断されるまでに不足すると、今度は回復までにも相当な時間がかかります。なので、フ
ェリチン鉄が枯渇する前に、鉄を補充する必要があるのです。
しかし、もともとが鉄の不足するような生活をしていた人が、一気に蓄積するまでの鉄を
摂取することは難しいので、貧血を自覚しているような場合は、早目に鉄分を補填するた
めの方法を考えることが進行を食い止める最善の方法になるのです。